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Hasami Life 掘り出しもの市! vol.4

by Hasami Life 編集部(くりた)
Hasami Life 掘り出しもの市! vol.4

Hasami Life 編集部が、とっておきの掘り出しものを紹介するこの企画。アンティークのような珍しい器や、時が経って生産完了になったものなどを紹介しています。(不定期更新)

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こんにちは。Hasami Life 編集部のくりたです。

大好評の掘り出しもの市! 編集部で、数多く眠っている波佐見焼を掘り出してきました。今回はまあるくてかわいい、中国茶用のポット。緑茶や紅茶にも幅広く使えて、どんな茶葉でもおいしく淹れられる一品です。

※もともとの販売価格については、生産当時の本体価格に、現在の消費税10%をプラスして表記しています。ご承知おきください。

 

ふっくらしたフォルムが、
お茶をおいしくする!

みなさま、家で過ごす時間や、家でお茶を入れる機会も多くなってきているのではないでしょうか。「いこいの時間に華やぎを」と思いセレクトしたのが、コロンとした後ろ手のポットです。

※ご好評につき、黄色の中国茶ポットは完売いたしました。

中国茶ポット 緑 250ml
¥1,980(税込)
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中国茶ポット 黄色 250ml
¥1,980(税込)
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※生産当時2,640円(税込)で販売していたものを特別に1,980円(税込)で販売いたします。
※再生産ができないため、在庫限りで終了となります。
※サイズ、形状、色は、焼成や原料の事情により若干の誤差が生じることがあります。

中国茶ポット 青磁 170ml
¥1,870(税込)
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※生産当時2,200円(税込)で販売していたものを特別に1,870円(税込)で販売いたします。
※再生産ができないため、在庫限りで終了となります。
※サイズ、形状、色は、焼成や原料の事情により若干の誤差が生じることがあります。

Hasami Life の波佐見焼でお茶セットを組んでみました。「essence of life」agasuke 盃(さかずき)は白磁と水空の2色。下の半角皿は「SAIKAI」の彫刻紋〈白磁〉です。

中国や台湾でお茶を淹れる際に使う、茶壺(ちゃふう)をオマージュしてつくられたこのポット。中国茶だけでなく、緑茶や紅茶などを淹れる道具としてもお使いいただけます。かわいらしさがあって、テーブルを明るくしてくれる一品です。

ふっくらしたフォルムは、じつは見た目のかわいさだけでなく、お茶をおいしくする理にかなったもの。注いだお湯をくるくると対流させて、やさしく茶葉の味を引き出します。

容量は青磁(左)が170ml、緑(中央)と黄色(右)が250mlとなっています。容量だけでなく、ふたの形状を含めフォルムも多少異なるので要チェックです! ちなみに内側には陶茶こしがついています。またのちほど説明しますね。

もともと中国茶は香りを楽しむものなので、飲みきる量のお茶を淹れる小さなサイズが主流です。さらに、このサイズはお茶をおいしく淹れるための工夫でもあります。先ほど、注いだお湯を対流させることがおいしいお茶を淹れるポイントとお話しましたが、大きなポットに少量のお湯を注ぐと、お湯が十分に対流しないのです。

小さなカップで香りを楽しみながらいただく中国茶ならば数人で。湯呑で緑茶を飲むならおふたりで。マグカップで紅茶を淹れるならおひとりで。ちょっと本格的な茶葉を用意して大事に飲むときにも使いたいですね。

編集部で撮影した際には、表参道にあるお茶のアイテムショップ・遊茶さんの「白牡丹2016箔片」をいただきました! 癒やしのひとときです。

このポットは中国茶と同じく沸騰した高温のお湯で淹れる、番茶やほうじ茶、紅茶などにとくに向いています。しっかり茶葉が対流する形状なので、どんなお茶も茶葉が開きやすくおいしく淹れられます。

逆に、ちょっと不向きなお茶もお伝えしておきますね。"ブロークンリーフ"と呼ばれる茶葉の細かい紅茶は、味はおいしく淹れられるのですが、茶葉が茶こしを通り抜けてしまいます。飲用に問題ありませんが、細かい茶葉でお淹れする際は、ティーストレイナーなどを一緒にお使いいただくのがおすすめです。

茶葉本来の味を楽しみ、金味・金気を気にせずおいしくいただくため、陶茶こしが採用されています。内側にも釉薬がかかっているので、掃除もラクです。

中国茶は基本的に茶葉が大きいものが多いため、目が粗めの茶こしでも問題なく使えます。日本茶や紅茶などは茶葉のサイズによっては、細かな茶の粉が出てくる場合も。

このポットはフタ・本体・茶こしをパーツごとに鋳込み(いこみ)でつくり、後から組み立てています。焼きものの中でも手間のかかる品物です。波佐見では大量生産することで手頃な価格で提供していましたが、今回は生産終了品のため、さらにお安くしています。

 

本場台湾で茶器を買うほど
お茶好きな商社の営業さんが企画!

約20年前に生産されたこのポットは、西海陶器の営業・近藤さんが企画したもの。 近藤さんはお茶好きで、中国茶や台湾茶にハマって、実際に本場台湾へ出向き、茶壺(ちゃふう)をはじめとした茶道具を買い求めたこともあるほど! 2000年代、中国茶がトレンドになり、都内にも専門店が増えてきたころに企画したのだそうです。

「中国茶の茶器の中でも、茶壺(ちゃふう)は象徴的なアイテム。実用的な道具でありながら、ミニマムでかわいらしさもある。奥深いお茶の世界を伝えられるようなポットをつくろうと思いました」

近藤さんいわく「本格的なお茶はもちろん、ティーバックのお茶を淹れるときにも使いやすいサイズ感ですよ」とのこと。ちなみに注ぐ際は若干垂れてしまうことがあるので、ゆっくり傾けてあげるのがコツ!

約20年前の販売開始時は6色展開していたポット。今回掘り出してきた3色のカラーリングに込めた意図をお聞きしました。

「翡翠(ひすい)を思わせるような緑色は、英国でオリエンタルビューティーと名付けられた東方美人茶の高貴なイメージを重ね合わせています」と近藤さん。あざやかでありながら、品のいい色です。

開発時は風水も取り入れてカラーリングしていたそうで「ゴールドや金運にもつながる黄色は、お茶の色が金色のように美しい高山烏龍茶のイメージ」とのこと。晴れやかな気持ちになれる色!

ひとまわり小さなポットの青磁は、お茶の世界ではスタンダードな色なんですって。「青磁というのはお茶の色に重なって、深みのあるおいしそうな色合いに見える色。中国茶・日本茶問わず好んで用いられてきた色なんですよ」

それから、ひとまわり小さな青磁のポットは、大きさだけでなく形も異なります。「どの色にしよう」とお悩みの方は、形も見比べてみてください。

持ち手部分の太さ、高台(底の土台部分)の大きさなどが異なります。茶こし部分のつくりは同じです。

制作には半年ほど費やしたと語る近藤さん。約20年前の当時を思い出して、窯元さんとの試行錯誤についても教えてくれました。

「企画して、幅広い技術力を持つ波佐見の窯元さんと組んで開発しました。ニーズにしっかり応えてくれて生産力もある、『西山』さんです。たしか、小さな茶こし部分は、つくり手泣かせでしたね。特徴的な色展開も、焼くと個体差が出やすいので扱いが大変でした。そのぶん、道具としての実用性とかわいさを両立したポットになったんじゃないでしょうか」

お茶の世界が好きな近藤さんが、技術力のある波佐見の窯元さんとつくりあげたポット。小さくて手頃ですが、想いの詰まった一品です。

 

MYカップのように、
MYポットを持ってみる。

今回の掘り出しものは、マイポットにぴったり!さっと使えるお手軽なサイズ感で、「私専用の」とスペシャル感も味わえる中国茶ポット。とくに小さめの170mlは仕事や家事の合間に、ひとりで過ごす時間を満たしてくれる茶器としてうれしいサイズです。

春先には、バルコニーやベランダでお茶をするのにも、小さなトレイに乗せて持ち出しやすいですね。

急須や土瓶に比べると、持ち手がコンパクト! そのぶん、省スペースで収納できます。

個人的に気になったのが、やっぱり容量です。「かわいいけれど、満足できるかしら?」と思ったんですが、使ってみると大丈夫でした! 調べてみると、250mlの緑と黄色の中国茶ポットは、市販のミニペットボトルとほぼ同じ容量。170mlの青磁のポットは、市販の缶コーヒーより若干少ないくらいの容量です。目安になさってみてください。

一度にたくさんつくるのではなく、そのとき飲むぶんだけをおいしく淹れて、またお湯を足して二煎目以降を楽しむ、というのはささやかな贅沢だなあと感じました。

おうち時間が増えた方にも、これから新生活をスタートさせる方にも、ゆっくりとお茶を飲む時間をつくって過ごしていただけたらうれしいです。

私だったら、ティータイムにひとり1個のポットで友だちをおもてなししたいなあと思いました。小さなポットが並んだら、テーブルコーディネートが絶対かわいい! それにポットを分ければ、それぞれ好きなフレーバーのお茶を自由に楽しめます。

この中国茶ポットで、みなさまのティータイムがより素敵なものになりますように!

 

HASAMI PORCELAIN のトレイ(リッド)の 220mm/Ash は中国茶ポットと相性抜群でした。

(過去の記事はこちらから)

 

また新たな“掘り出しもの”を、楽しみにお待ちください!

※すでに生産終了している商品ですので、窯元さんへのお問い合わせはご遠慮ください。

Hasami Life 編集部(くりた)
この記事を書いた人
Hasami Life 編集部(くりた)