HOME よみもの 波佐見の人 【住めばよかとこ波佐見 vol.3】結婚、子育て、波佐見でのリアルな暮らし 2019.12.20 【住めばよかとこ波佐見 vol.3】結婚、子育て、波佐見でのリアルな暮らし by Hasami Life編集部 ―――自分が暮らす場所は、自由に選ぶ。長崎県波佐見町にも、少しずつ移住者が増えています。波佐見町にやってきたきっかけは、みなさん十人十色。波佐見町に住んでみて、どうですか? 移住者のみなさんにリアルな声を伺います。 「波佐見空き工房バンク」「みんなのアトリエ はざま」主宰、福田奈都美さんのインタビュー(第3回)です。波佐見町で結婚し、子育てをしている福田さんのリアルな暮らしについて伺います。 福田奈都美さん福岡県山田市(現嘉麻市)で生まれ育ち、2014年に長崎県波佐見町に移住。好きなものは、器・パン・うどん。多分、粉を練ったものが好き。嫌いなものは、運動と歴史。体を動かすことと、暗記が苦手。『波佐見空き工房バンク』『みんなのアトリエ はざま』主宰。http://fukudanatsumi.com/http://hasami-akikobo.com/ 車は必須。波佐見の暮らし ――― はじめから波佐見町には定住するつもりでしたか? できたら、そのまま住みたいと思っていました。任期の3年を過ぎたら、何かお店をするなり、起業するなりしてそのまま住めたらいいなって。協力隊がいいなって思ったのは、3年住んで、万が一相性が悪かった場合、“帰る”という選択肢があることでした。まずは3年、様子を見てみようっていう感じでしたね。 ――― 波佐見町の住環境はいかがですか? アパートの家賃は意外に高くて、福岡レベルだと思います。ひとりで住むような造りがなくて、ほとんどがファミリー仕様なんですね。その上、2LDKで最低5〜6万。単身者にはきびしい現実です。地域おこし協力隊って、住宅補助は出るんですけど、そんなに給料がいいわけでないんですね。その上、内定をもらって2か月後には業務がスタートだったので、物件を探す時間もありませんでした。わたしの場合は、役場の方が西海陶器さんの寮に入れるように段取りしてくれました。田舎暮らしをするなら古民家に住みたい!と思っていたのですが、探す暇もなく(笑) あと、車は必須ですね。「ペーパードライバーだから怖い」と言って車なしで移住されてた女性の方がいたのですが、途中で安い車を譲ってもらっていました。波佐見町の人はちょっとした距離でも車に乗りますから(笑) ――― 波佐見町の暮らしはどうですか? わたしが元々、福岡の田舎の方の出身なので、正直にいうと、ここでの暮らしにはギャップもないし、普通です(笑)。福岡まで2時間弱ぐらいだから、日帰りで遊びに行ったりもするし、買い物に行ったりもするし、友達に会いにも行けます。 今は2歳の子どもがいるので、休みの日は家族で過ごすことが多いですね! 2017年に誕生した愛娘。のんびりとした波佐見の町ですくすくと育っている。 波佐見での出会いと結婚 ――― 波佐見町でご結婚されたんですか? はい! 実家が波佐見の畳屋さんの夫と結婚しました。5歳年上で3代目です。現在は、月3万円で一軒家を借り、家族で住んでいます。 ―――よければ、なれそめを教えてください! 夫は商工会青年部に所属しているんですが、あるとき、恋活イベントがあったんです。波佐見町内の独身男性と町内外の独身女性を引き合わせるイベントで、バーベキューなどを開催していました。そこでポーセラーツ(ポーセリンアートとも呼ばれる。シールや上絵の具で磁器に模様付けするハンドクラフト)を共同作業でやったら、恋が生まれるんじゃないか、と。 「ポーセラーツアーツを教えられる人」ということで呼ばれたんです。講師として来てくださいと。以前、少しやったことがあったんですが、全然難しいことじゃないんですよ。一応、女性が教えた方がいいかもしれないとかいうことから、参加しました。そして、スタッフとスタッフでくっついたという、よくある話なんですけど(笑) スタッフ同士はやっぱり一緒にいる時間が長いから、共同作業の中でなんとなく付き合うようになりました。そして、1年半ぐらいで結婚。地域おこし協力隊の任期中だったので、町長にも報告に行かせていただきました。 「変な話ですが、波佐見での暮らしを“つまらない”と思ったことはありません」と福田さんは笑う。 ―――波佐見町での子育てはいかがですか? 波佐見町には認定こども園を含め、保育園が7ヶ所あります。小さい町なので、ずいぶんと多いように感じると思うのですが、待機児童はいますよ。ちょうど先日、6〜7人と聞きました。 友人の家にも6ヶ月のお子さんがいて保育園に申し込みをしてるけれど、特に0歳から3歳児が入れないんです。その年代は、保育士1人につき、3人までしかみれないから、余計に入りにくい。基本的に兄弟がいる子達が優先になるので、第一子の場合は厳しいですね。順番が来たら入れるので、役場の公式発表は待機児童0になっています。半年から1年ぐらい待つ可能性もありますが、タイミングがよければ大丈夫。早めに申し込みをしておくことが大切です。場所もあるし、広さも充分にあるけど、保育士さんが足りていないのが現状。保育士さんに移住してもらえるように、町の魅力だけでなく、雇用待遇をしっかり上げていかないと。 それ以外、困っていることはほとんどありませんが、強いていうならば、図書館が小さいことや美術館などの文化的施設がないことです。小さな図書室はあるのですが。車で30分くらいのところに、大きな武雄市図書館があるので、よく連れて行っています。1日3回ぐらい本の読み聞かせがあったり、知育玩具のワークショップがあったり、充実しています。 次回は、【住めばよかとこ波佐見 vol.4】地元の人を大事に。移住者としての心得をお届けします。 (最初から読む) 【住めばよかとこ波佐見 vol.1】わたしが波佐見へやってきた理由 【住めばよかとこ波佐見 vol.2】「空き工房バンク」がスタートするまで 【住めばよかとこ波佐見 vol.3】結婚、子育て、波佐見でのリアルな暮らし 【住めばよかとこ波佐見 vol.4】地元の人を大事に。移住者としての心得 Tweet 前の記事へ 一覧へ戻る 次の記事へ Hasami Life編集部 この記事を書いた人 Hasami Life編集部 関連記事 2023.09.29 窯元探訪【丹心窯】vol.28 長﨑忠義『水晶彫の秘密。』 波佐見には、町の至るところに波佐見焼と真摯に向き合う「人」が存在します。今回、おじゃましたのは、佐賀県武雄市との県境にある波佐見町小樽郷に窯を構える『丹心窯(たんしんがま)』さん。まるでジュエリーのような輝きを放つ、唯一無二の美しい波佐見焼、その手仕事の秘密に迫ります。 2023.09.22 窯元の火を止めるな! 技術と雇用をつなぐ、波佐見焼企業のM&Aに迫ります。 後継者不在を理由に事業をたたむケースも増えているなかで、窯元の高山陶器(現・株式会社高山)と、商社である西海陶器株式会社はどうやって事業承継に結びついたのか。その先にどんな未来を見据えているのか。 新旧の社長に話を聞きました。 2023.08.25 【編集スタッフ募集中】波佐見焼の魅力を伝える Hasami Life 編集部に密着! 「波佐見焼や波佐見町、職人の手仕事のことを知ってもらいながら、ご自宅に波佐見焼を迎え入れてほしい!」これがHasami Life編集部の願い。週1回のよみもの配信を中心にさまざまな活動をしています。実際、どんな仕事をしているのでしょうか? 今回は、編集部員のたぞえさんに密着します。
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