編集部でも大人気! 波佐見焼をテーマにした漫画・小玉ユキさん『青の花 器の森』

編集部でも大人気! 波佐見焼をテーマにした漫画・小玉ユキさん『青の花 器の森』

2021.04.22

©︎小玉ユキ/小学館

「波佐見を舞台にしたマンガがあるらしいよ!」
「しかも、波佐見焼をテーマにしているんだって!」

『月刊flowers』(小学館)にて、2018年5月号から連載がつづく『青の花 器の森』。各界の漫画好きが「いま読むべき漫画!」と太鼓判を押すランキング、『このマンガがすごい! 2021』オンナ編(宝島社刊)では、世の中に数ある作品の中から見事15位にランクイン。陶磁器を制作する窯元を舞台にしていることもあり、焼きものを愛する人たちの間でも話題沸騰の漫画です。


わたしたちHasami Life 編集部は、『青の花 器の森』を心から応援し、みんなで勝手に推しまくり中。単行本が出るまでじっくり待つ派、そして月刊flowersですぐにチェックする派の二手に別れ、それぞれが思い思いに楽しんでいるのであります。

「溢れんばかりのこの気持ちをなんとか形にしたい!」と、今回この記事をまとめているところなのですが…… 今、この記事を読んでいるみなさんの中には、すでにお読みになっている方もきっと多いですよね?



『青の花 器の森』ってどんな話?

一体どんなお話なの? というあなたにも、ぜひ、読んでもらいたい! まずは簡単なあらすじをご紹介します。

(長崎・波佐見を舞台に始まる、器と恋の物語)

波佐見焼の窯で絵付けの仕事をしている青子。その窯に、海外で作陶していたという龍生がやってきた。無愛想で人を寄せ付けない龍生に「絵付けされた器に興味ない」と言われ、自分の生き方まで否定された気持ちの青子だが、反発しながらも龍生の器に惹かれていき…? 器に魅せられた男女が出会ったことで、大人の恋が動き出す--!

(「小学館COMIC」さんのサイトより引用させていただきました)


主人公は、生まれ育った地元・長崎県の波佐見町で絵付け(陶磁器に絵や模様を描くこと)の仕事をしている青子(あおこ)さん、31歳。そこに現われるのが、フィンランドで焼きものづくりに携わっていた龍生(たつき)くん。龍生くんは青子さんよりも少し年下の27歳。でも、なぜ、日本に帰ってきたの…?



「この龍生くんがものすごくいいんですよ。ちょっと感じわるい気もするんですけれど、それにはもちろん理由があるわけで。なにより、ものすごく仕事ができるんです。あなた不器用なの! 器用なの! どっちなの! という感じで見守っていると、どんどん龍生沼にハマってしまいます」(編集部:ながみね)

「第1巻で主人公のふたりが波佐見の星空と流れ星をモチーフに絵付していたのがとても印象的でした。私は長崎県出身ですが、長崎空港のある大村市が地元。大村市は街が明るいので、綺麗な星空をみることができません。でも、波佐見までくると、夜空が本当にきれいなんですよ。波佐見ならではの自然豊かな描写が魅力です」(編集部:すえなが)

「お仕事漫画としてもおもしろいです。焼きものに向き合う青子さんが壁にぶつかって悩んで、その先にすてきな絵付の図案を考えつく。そして焼きものとして、想いが形になるんです…! ひとりの働く女性としても共感しちゃう! そんな彼女の恋なんてもう、もう、全力で応援するしかなくないですか? 本当に、恋も仕事もグッとくる漫画!」(編集部:くりた)

初めは「ラブストーリーなんでしょ?」と構えていた編集部の男性陣もすっかり『青の花 器の森』のトリコ。


「窯元について詳しく知らなくても、物語を読み進める内に詳しくなって、気づいたら波佐見へ行きたくなる漫画です。恋愛模様も気になるし、器も気になるし、毎回楽しみに新刊を待ってます!」(編集部:いのうえ)

 

 

(漫画家・小玉ユキさん)

長崎県生まれ。2000年にデビュー。07年~12年に「月刊flowers」(小学館)にて連載した『坂道のアポロン』で第57回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。ほかの作品に『月影ベイベ』などがある。『坂道のアポロン』は、知念侑李(Hey!Say!JUMP)さん、中川大志さん、小松菜奈さんのキャストで映画化。舞台は、波佐見のおとなり・佐世保。


作者の小玉ユキさんはご出身が長崎県! まさに地元の方なんですよね。それだけでなく、とてもていねいな取材を経てストーリーが描かれているのがわかります。

毎巻ラストにはスペシャルサンクスのページが! 知っている場所や名前がいっぱいでうれしい。

例えば、波佐見町の中でも多くの窯元が集まる中尾山。この中尾山にある光春窯さんに小玉さんが1週間ほど泊まり込み、職人さんを観察したというのは地元では有名な話です。

光春窯さんはストーリーにもしっかり登場。町民にはおなじみの風景です。

波佐見焼を取り扱う地元の商社、西海陶器の社員さんたちにも感想を聞いてみると……!


「波佐見の街並みや、キャラクターのモチーフになったであろう方々が身近な存在なので読む前から親近感の湧く漫画でした。続きが楽しみです」(営業:伊藤さん)

「普段は目にしない窯元さんの様子や、器の出来上がっていく様子が描かれていて、ワクワクします。コロナ禍で波佐見町に行ってみたいけど行けない…という方は、この自粛期間中に『青の花 器の森』を読んで、実際に波佐見町へ来るとさらに楽しめるのではないかと思いました。個人的に、龍生くんのツンデレ具合がたまらんです(笑)」(小売担当:太田さん)

「学校などで波佐見焼の講演を頼まれた時は、必ず掴みに使わせてもらっています。個人的にも大好きな作品ですし、昔から先生のファンです!! 私にも取材をよろしくお願いします!!!」(社長:児玉さん)

社長までファンであることを告白。実際に焼きもの業界で働く人たちも太鼓判を押すほど、細かいところまでが本当にリアルなんですよね。

真っすぐに葛藤を続ける主人公、そして主人公を取り巻く温かい登場人物たち、急に訪れる出逢い。海外ドラマのように1日にハプニングが何度も訪れるような激しい展開はありませんが、やさしくて温かな空気感で描かれる心の機微が、とても心地よいペースで味わえます。

波佐見焼が気になる方も、すでに波佐見焼を愛用している方も、この作品を読んだら、波佐見焼へ愛着が深まること間違いなし! ただいま、単行本では第6巻まで発売中、第7巻は5月10日(月)ごろ発売です。まだまだ1日で追いつけるボリュームですので(笑)、次に読みたい漫画リストにぜひ!

 

小学館COMICさんのサイトでは試し読みができるので、興味がある方はぜひチェックしてみてください!https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784098702039

 

 

まだまだ語り足りない『青の花 器の森』。次回は物語の舞台になった長崎県波佐見町より、Hasami Life編集部のくりたによる「聖地巡礼レポート」をお届けいたします(4/24 公開予定)。青子さんがいたあの場所、龍生くんと行ったあの場所、本当にあるんですよ!

この記事を書いた人
Hasami Life 編集部