彼岸花の美しさが教えてくれること【はじめての波佐見LIFE 2歩目】
波佐見の暮らしや焼きものにまつわる話、そしてちょっぴりプライベートなことまで。編集部員が自由気ままに綴ります(不定期更新)。
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こんにちは、Hasami Life 編集部のくりたです!
今月も波佐見町で暮らしはじめた、わたしの『波佐見LIFE』をお届けします。
彼岸花が季節を教えてくれる。
いつもの通勤路を歩いていて、今年最初の彼岸花を見つけたのは、9月17日のこと。夏が終わったと思ったら瞬く間に茎を伸ばしつぼみをつけ、花開きました。「名前の通り、お彼岸の時期にちゃんと咲くんだなあ」と感心しちゃいました。
9月の波佐見町には彼岸花がたくさん咲いていて、びっくり! もはや今年だけで、わたしがこれまでの人生で見たぶんよりも大量の彼岸花を目にしているくらい、行く先々でみっしり集まって咲いています。
どうしてこんなに赤い花を見かけるのかしら? と不思議に思ったのですが、あぜ道や土手が多さが関係しているようです。
昔は飢きんに備えて、あぜ道や土手に彼岸花を植えていました。そして、その球根を水にさらして毒を抜いてから食べていたとか。ほかにも毒がモグラやネズミよけになったり、根が張って土手をしっかり固めてくれたり、多くの理由があると知って、先人の知恵に驚きました。
波佐見町は日本の棚田百選に選ばれた鬼木の棚田をはじめ、あちこちに田んぼがあり、川も町内に5本流れています。あぜ道や土手も多く、そのぶん彼岸花も植えられてきたのかもしれません。
東京に住んでいるときは、生活圏ではあまり見かけなかった彼岸花。あらためてじっくりと眺めていると、その美しさに感動しました。すっと天に向かって伸びる茎、どの角度から見ても楽しめる花びら。
彼岸花は“死を連想させる不吉な花”として扱われることもあるようですが、わたしにはあざやかな赤色が美しく思えて好きな花のひとつです。“天上の花”という意味を込めて「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」とも呼ばれていますが、その名前のほうが似合っている気がしませんか?
季節と一緒に歩む暮らし。
波佐見町に住みはじめてから、繊細に季節の移り変わりを感じるようになりました。5月に引っ越して来たので、夏も秋も、はじめてがいっぱいです。
夏に澄んだ音色を奏でていたひぐらしはいなくなり、聴こえてくるのは鈴虫の声。青々としてまっすぐ伸びていた稲は、気づけばたわわに実り黄金色に輝いています。ご近所の庭にある栗の木も、イガに包まれた実をつけていました。
わたしの目に映る世界は、秋色に変わりはじめています。
少し肌寒いときにはあたたかいお茶を淹れてくつろいだり、お彼岸にはお供えもののおはぎを味わったり、夜には和ろうそくに火を灯して過ごしたりしています。日々の移ろいを感じるからこそ、自分の時間を慈しむ余裕が生まれやすいのかもしれません。
波佐見に流れているこの大好きな時間を、Hasami Life でもみなさまに感じていただけるように、これからも更新していきますね。
それでは、またお会いしましょう。
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