「日本橋 長崎館」は、食や工芸、観光まで長崎のワクワクをたっぷり感じられるワンダーランド
photo by 斉藤純平
東京駅から徒歩5分ほど。日本橋のビルの一角に長崎県のアンテナショップがあるのをご存知でしょうか。
こちらでは広々とした物販スペースに調味料やお菓子、麺など長崎県の物産品が並び、波佐見焼も販売 しています。そのほかイートインスペースや観光案内スペースなども併設。これはついつい長居してしまいそう!
今回は、東京で「長崎」を存分に体感できる、「日本橋 長崎館」をご紹介します。
日本橋と長崎の関わりとは?
そのはじまりは、江戸時代にまでさかのぼります。長崎出島のオランダ商館長などが江戸へ参府する際、日本橋の薬種問屋「長崎屋」を定宿にしていたといわれています。
そんな歴史に由来する「日本橋 長崎館」は、いまから8年前にオープン。館長の佐藤智仁さんにお話を伺いました。
「若い方から年配の方まで、お客様の層は幅広いです。ほかのアンテナショップに比べると、売り場スペースは広いと思います。いろいろな商品を扱っていますが、コンセプトは『雑多』です」。
なるほど、長崎は多様な文化が混ざり合って融合しているし、店内の雰囲気とも合っているのかな……と、勝手に納得。
店内を入って目に飛び込んでくるのは、船を模したディスプレイ。圧巻です。 長崎は鎖国下より出島をはじめとし、海外との窓口となる港町として栄え、さまざまな文化を取り入れてきました。
また、波佐見町は長崎のなかで唯一、「海に面していない町」としても知られているんです。
店内は、物販ゾーン、観光案内ゾーン、イベントゾーン、軽飲食ゾーンの4つのゾーンで構成されていますよ。
目移りしそう! 特産品から波佐見焼まで充実のラインナップ
それではまず物販ゾーンの紹介から。
地元の食材を使った水産加工品、醤油などの調味料、ご当地カレー、地元ブリュワリーのクラフトビールなど、商品は多岐にわたります。「何を買おうか迷っちゃうな」というときは、物販ゾーンに常駐している「食と暮らしの案内人」に相談もできますよ。
波佐見焼は、店外からも見えるように大きな窓を使ってディスプレイされています。商品の入れ替えは不定期とのことですが、常時約100アイテムほど取り扱いをしているとのこと。
「波佐見焼は、お客様からの問い合わせも多いです。実際に、大きさや手にしたときの感じを知りたいという声もあり、ここでは、実物を触って買っていただくことができるのが強みですね」と佐藤館長。
江戸時代にお酒や食事を入れるのに使われてきた「くわらんか碗」も。高台が大きく、安定感のある使い心地が特徴です。イッチンと言われる伝統的な技法で描かれた可愛らしい花模様やボーダー柄など、バリエーションも豊富。
シリーズ名になっている「Kuvio」は、フィンランド語で「文様」を表します。江戸時代から伝わるという古典模様と反転模様を組み合わせ、仕上げています。
シンプルな白磁に、丁寧なカンナ彫で模様を施した「一真窯」(いっしんがま)の「色彩カンナ」シリーズ。和モダンな雰囲気が食卓を彩りを添えます。
自分用として、プレゼント用としての需要も多いそう。では、「日本橋 長崎館」イチオシの波佐見焼をさらに紹介しましょう。
「日本橋 長崎館」の波佐見焼人気ナンバー1の「necoシリーズ」。柄はコテツ、ベンガル、ハチワレ、ブチの4種類。耳の部分に指をかけて持ちやすくなっています。用途に合わせていろいろ揃えたくなりますね。猫好きの方への贈り物としても。
上部は釉薬、下部は素焼きのコンビネーションに、イッチンで描かれた花の模様がアクセントになっています。容量は約200mlで、クイッと飲みほしたくなる小ぶりサイズも◎。
シンプルななかにもモダンさが光り、飽きずに長く愛用できそうなデザイン。使い勝手のよいオーバルは、カレーやパスタにぴったり。ぜひスプーンとセットで。
幅広い層に支持されているベストセラー。波佐見焼の蓋に、茶葉の目詰まりを解消したステンレス製のSS茶こしが付いたガラスポット。
商品を実際に手にすることで、持ってみた感触やそれぞれが持つ雰囲気を感じることができて、うつわ選びもますます楽しくなります。定期的に足を運んでみるのがおすすめです。
「旅の案内人」の「生きた」情報を聞いてみよう
つづいて、観光案内ゾーンのご紹介です。
ここには、長崎県出身の「旅の案内人」が常駐していますよ。取材中もひっきりなしにお客さんが訪れていました。
「はじめて長崎を訪れるという方が多いので、まずは日数やプランなどをお聞きします。そうして、旅程的にちょっと難しそうだなと思うところはアドバイスをしたり、より具体的な交通手段などの情報をお伝えしたりするようにしています」と、和久本さん。
パンフレットも多数取り揃えています。眺めているだけで、旅のわくわく感が高まりますね。
ここでしか聞けない「旅の案内人」による「生」の情報をゲットしに、ぜひ足を運んでみてくださいね。
●観光案内ゾーン
<案内時間>10:30~18:00(17:45最終受付)
<電話番号>03-3241-1777
本場・長崎の味を波佐見のうつわで堪能
店内奥にあるコの字カウンターが軽飲食ゾーン。
ランチからカフェ、ちょい飲みまで、いろいろな楽しみ方ができるスペースです。 ランチは日替わりで「長崎ちゃんぽん」や「松浦直送 アジフライ定食」など(内容は不定期)、スイーツには「本日のカステラ2種食べ比べ」(350円)などなど。個人的には、「日本酒利き酒セット」(1300円)が気になりました!
なんといっても、こちらでは メニューのすべてを波佐見焼で提供しているそう。長崎の食を、その土地で作られたうつわでいただける、魅力あるゾーンです。
「平日のランチは、立地柄、近隣のワーカーさんが多いですね。オープンして席が埋まってしまうこともありますよ」と佐藤館長。 この日は、人気の「皿うどん」(900円)。
具だくさんの一品。長崎ご当地の味ともいえる「金蝶ソース」でいただきます。
●軽飲食ゾーン
<営業時間>11:00〜19:00(L.O 18:30)
まだ知られていない長崎のレア情報に会える
「イベントゾーン」では、自治体や地元企業によるイベントが開催されています(不定期)。
過去には長崎にまつわる民話絵本の朗読や、長崎五島うどんの試食販売などを実施。バラエティに富んだ内容で、足を運ぶたびに長崎県の魅力に出会うことができそうです。
●今後の予定
『島原半島の銘酒集結!』試飲販売会
2024年9月28日(土)10:30~19:00、29日(日)10:30~17:00
さて、「日本橋 長崎館」のご紹介はいかがでしたか。
店内の隅から隅まで、長崎県の魅力であふれるスポット。ショッピングや飲食だけでなく、食や暮らし、歴史などの文化にもふれることができる情報発信基地でありました。
Hasami Life編集部もまだまだ知らないことばかり。長崎県のステキにたくさん触れることができてとてもおもしろかったです。
「普段はなかなか長崎へ行けないな」という方も、長崎の魅力や波佐見焼に気軽に出会えるチャンスです。「日本橋 長崎館」に、ぜひ足を運んでみてくださいね。
日本橋 長崎館
住所 東京都中央区日本橋2-1-3 アーバンネット日本橋二丁目ビル1階
営業時間 10:30~19:30、年中無休(ビル施設点検日等除く)
電話 03-6262-5352(ショップ)、03-3241-1777(観光案内)