波佐見陶器まつりの”いま”と”むかし”
半世紀以上つづく、全国に誇る陶器まつり
毎年4月29日から5月5日に開催している“波佐見陶器まつり”。期間中は、皿や茶碗、湯のみやマグカップなどの食器類が通常より安く販売され、焼きものファンを中心に多くの買いもの客で賑わう全国に誇る陶器まつりです。今年も「第62回 波佐見陶器まつり」に向けて各窯元・ショップ・商社・町全体で準備を進めていましたが、新型コロナウイルス感染症の全国拡大の影響を受け、残念ながら延期が決定しました。
そこで、少しでも波佐見陶器まつりの息吹を感じていただきたいという思いから、波佐見陶器まつりの様子を写真でご紹介していきたいと思います。たいへん珍しい昔の写真も登場しますので、波佐見陶器まつりにいらっしゃったことのある方もない方も、お楽しみいただけたらうれしいです。(写真は「波佐見焼振興会」からお借りしています)
時代とともに変化する波佐見陶器まつり
現在、波佐見陶器まつりのメインになる本会場は「やきもの公園」です。やきもの公園には、世界を代表するやきものの窯12基を再現した野外博物館“世界の窯広場”や、波佐見焼の資料館や観光交流センター、波佐見焼のショップを複合した“陶芸の館”があり、ふだんから住民の憩いの場となっています。
しかし、やきもの公園ができたのは、1981年(昭和56年、39年前)。それ以前は、県道1号線が歩行者天国となり、お店がずらりと並ぶ形で開催されていました。
時代と共に発展を続ける波佐見陶器まつり。生活環境の変化に伴い、交通機関はバスから自家用車、会場も県道1号線からやきもの公園へ変わりました。1989年(平成元年、32年前)に、西九州自動車道の開通を機に開設された波佐見有田インターチェンジ会場は、交通の便がよく今も昔も多くの方が利用しています。
陶器まつりの”いま”
染付、金や赤などの鮮やかな柄ものが主力だった陶器まつりでしたが、2010年頃からは、機能的でシンプルな器や、モダンなデザインの器など、各社の特色のある器が増え始めました。また、商社が自社ブランドを作るようになったのもこの頃です。
現在の会場は、“やきもの公園 本会場”と“波佐見・有田IC会場”の2か所。窯元、商社、作家など約150店舗が出店しており、くまなく回るためには、半日から1日は必要です。
また、多くのショップが多く集まる「西の原」というエリアをはじめ、「マルヒロ」「白山陶器」「京千」などの商社や窯元では、本会場とは別に独自の陶器まつりを開催しています。いずれも入場制限を設けているとても人気の高い会場です。
※西の原は、本年度延期が決定。各商社や窯元では、ホームページ等で独自のWEB陶器まつりを開催するところもあるようです。詳しくは、各商社や窯元にお問い合わせください。
近年では、有田と波佐見を結ぶ無料シャトルバスが運行しているので、有田陶器市と両方たのしむ人も多くなっています(残念ながら、今年は有田陶器市も延期が決定しています)。波佐見町内には、大小15か所の駐車場(約2500台分)も準備されますが、陶器まつり初日や土日は開場前から満車状態の場合があります。また、普段だと“嬉野インターチェンジ(長崎自動車道)からやきもの公園まで車で約15分”、“有田駅からやきもの公園まで車で約15分”の所用時間ですが、駐車するまでに倍以上の時間を要する場合もあるので、余裕をもっての行動がおすすめです。
今も昔も、人々を惹きつける波佐見陶器まつり。次回の開催が決定しましたら、Hasami Lifeでもお知らせいたします。それまで、どうぞ楽しみにお待ちください。
写真協力:
波佐見焼振興会