HOME よみもの 波佐見を歩く 彼岸花の美しさが教えてくれること【はじめての波佐見LIFE 2歩目】 2020.09.29 彼岸花の美しさが教えてくれること【はじめての波佐見LIFE 2歩目】 by Hasami Life 編集部(くりた) 波佐見の暮らしや焼きものにまつわる話、そしてちょっぴりプライベートなことまで。編集部員が自由気ままに綴ります(不定期更新)。 +++ こんにちは、Hasami Life 編集部のくりたです!今月も波佐見町で暮らしはじめた、わたしの『波佐見LIFE』をお届けします。 彼岸花が季節を教えてくれる。 いつもの通勤路を歩いていて、今年最初の彼岸花を見つけたのは、9月17日のこと。夏が終わったと思ったら瞬く間に茎を伸ばしつぼみをつけ、花開きました。「名前の通り、お彼岸の時期にちゃんと咲くんだなあ」と感心しちゃいました。 咲き誇る彼岸花と、つぼみ。 9月の波佐見町には彼岸花がたくさん咲いていて、びっくり! もはや今年だけで、わたしがこれまでの人生で見たぶんよりも大量の彼岸花を目にしているくらい、行く先々でみっしり集まって咲いています。 どうしてこんなに赤い花を見かけるのかしら? と不思議に思ったのですが、あぜ道や土手が多さが関係しているようです。 昔は飢きんに備えて、あぜ道や土手に彼岸花を植えていました。そして、その球根を水にさらして毒を抜いてから食べていたとか。ほかにも毒がモグラやネズミよけになったり、根が張って土手をしっかり固めてくれたり、多くの理由があると知って、先人の知恵に驚きました。 波佐見町は日本の棚田百選に選ばれた鬼木の棚田をはじめ、あちこちに田んぼがあり、川も町内に5本流れています。あぜ道や土手も多く、そのぶん彼岸花も植えられてきたのかもしれません。 黄金色に染まりつつある稲穂と土手で咲く彼岸花が並んだ風景。波佐見町折敷瀬郷にて。 東京に住んでいるときは、生活圏ではあまり見かけなかった彼岸花。あらためてじっくりと眺めていると、その美しさに感動しました。すっと天に向かって伸びる茎、どの角度から見ても楽しめる花びら。 彼岸花は“死を連想させる不吉な花”として扱われることもあるようですが、わたしにはあざやかな赤色が美しく思えて好きな花のひとつです。“天上の花”という意味を込めて「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」とも呼ばれていますが、その名前のほうが似合っている気がしませんか? 季節と一緒に歩む暮らし。 波佐見町に住みはじめてから、繊細に季節の移り変わりを感じるようになりました。5月に引っ越して来たので、夏も秋も、はじめてがいっぱいです。 夏に澄んだ音色を奏でていたひぐらしはいなくなり、聴こえてくるのは鈴虫の声。青々としてまっすぐ伸びていた稲は、気づけばたわわに実り黄金色に輝いています。ご近所の庭にある栗の木も、イガに包まれた実をつけていました。 わたしの目に映る世界は、秋色に変わりはじめています。 少し肌寒いときにはあたたかいお茶を淹れてくつろいだり、お彼岸にはお供えもののおはぎを味わったり、夜には和ろうそくに火を灯して過ごしたりしています。日々の移ろいを感じるからこそ、自分の時間を慈しむ余裕が生まれやすいのかもしれません。 福田屋さんのカステラにハマって、何度もリピート中。国産はちみつをたっぷり使っていてしっとり感が格別。お茶はこの夏取材した原田製茶さんのもの。 波佐見に流れているこの大好きな時間を、Hasami Life でもみなさまに感じていただけるように、これからも更新していきますね。 それでは、またお会いしましょう。 +++ Hasami Life のツイッターもくりたが担当しています。こちらでもお付き合いいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/hasami_life Tweet 前の記事へ 一覧へ戻る 次の記事へ Hasami Life 編集部(くりた) この記事を書いた人 Hasami Life 編集部(くりた) Hasami Life で働くため2020年5月から波佐見町に住みはじめた。ライター兼カメラマン。9月に無事に自動車免許を取得! しかしまだバックで駐車は苦手。日々、田舎暮らしを楽しんでいる。最近とくに感動したのは、黄金色に輝く稲穂がたわわに実って秋風に揺れてた風景。 walking 関連記事 2022.12.23 うつわの箱屋さんからはじまった、パッケージメーカー岩㟢紙器の仕事 やきものの箱を波佐見で60年以上つくり続けている「岩㟢紙器」さん。現在はお菓子や化粧品など多種多様なパッケージを手掛けていらっしゃいます。商品の「顔」ともいえるパッケージは、一体どんなふうにつくられているのでしょうか。 2022.11.25 minokamoがつくる!中尾山・秋陶めぐり【後編】〜料理旅×波佐見焼〜 「出かけた先でその土地の食材を料理することも、旅の大きな楽しみ!」と語る料理家のminokamoさんに戦利品の波佐見焼で料理を楽しむ姿を見せていただきました。中尾山・秋陶めぐり【後編】のスタートです。 2022.11.18 minokamoがゆく!中尾山・秋陶めぐり【前編】〜焼きもの 秋さんぽ〜 料理家・写真家・フードスタイリスト・イラストレーターと多才な顔を持つ minokamo(長尾明子)さんが波佐見へ。3年ぶりの通常開催となる中尾山『秋陶めぐり』を1日レポート!
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