食卓を彩る名脇役。『彫刻紋〈藍墨〉』の世界

食卓を彩る名脇役。『彫刻紋〈藍墨〉』の世界

2025.11.07

暮らしのなかでついつい手が伸びるのは、安心感のある器。
なにを盛りつけても、しっくりくる器。和食にも、洋食にも合う器。

王道の白磁とあわせて揃えたいのは、料理を引き立て、食卓を彩る名脇役『彫刻紋〈藍墨〉』。

シンプルだからこそ職人の技が光るシリーズです。

職人の手仕事が生み出す、心地よい揺らぎ

彫刻紋〈藍墨〉シリーズは波佐見町の陶郷・中尾山に位置する一真窯で作られています。

「カンナ」と呼ばれる道具を使い、乾燥させた生地を削って作り出される彫刻紋。

熟練の職人が一つひとつ手彫りしているため、心地よい線の揺らぎや温かさが感じられます。

流れるような手さばきはまさに熟練の技。磁器の産地ではとても珍しく、「一真彫り」と呼ばれている。

 

今回ご紹介する藍墨は、一真窯の人気シリーズ〈白磁〉に藍墨色の釉薬を施したもの。趣深い色みが加わることで、手彫りの陰影がより際立ちます。

白磁シリーズはこちらから。

藍墨シリーズは全7種類。皿(12cm17cm24cm)、ボウル()、茶碗小碗が揃う。

器の表情を引き出す色

彫刻紋は光の当たり方や見る角度によって違った表情を見せる器です。
そこに藍を含んだ墨色の釉薬をかけることで濃淡が生じ、やわらかなコントラストによって印象がさらに変化していくのです。

釉薬が厚い部分はしっかりと濃い色に、薄い部分は淡い色に仕上がるため、味わいのある表情が生まれます。

繊細な紋様に釉薬が施されることで、くっきりとした藍墨色の線が浮かぶ。

彫りと同じく、釉薬も職人が一つひとつ手作業でかけています。
そのため、白みがかったグレーや、墨に近い濃いグレー、茶色がかったものなど、少しずつ仕上がりが異なるのも藍墨の特徴です。

小碗。釉薬がたまったふちの部分がぽってりしているのも、手仕事ならではの味わい。

左がボウル大、右がボウル小。並べてみると、色合いの違いがよくわかる。

彫りの違いを楽しむ

藍墨シリーズで用いられているのは、草林彫(そうりんぼり)と斜め彫(ななめぼり)という技法です。

草林彫はカンナを用いて手彫りする技法で、草林をイメージした模様です。
また、斜め彫は面取りの技法を応用し、斜めに削り出した彫り方です。

草林彫は、繊細で端正な佇まい。
斜め彫はのびやかでダイナミック。

同じ形状の器でも彫りの種類が違うとガラッと印象が変わるので、その日の気分や献立によって使い分けるのもおすすめです。

サイズ比較。小さい方から順に12cm、17cm、24cm。

とびカンナで彫られたプレートの裏面。力加減によって彫りの深さや間隔が変わる。

どんな料理にも合う万能色

藍墨はどんな色味とも相性がいい万能色です。

落ち着いた色合いは和食にもぴったり。白米の白さが際立ちます。

斜め彫で揃えることで、統一感が生まれる。

小碗12cm皿を組み合わせて、湯呑やデザートカップとして使うのも◎

深みのある藍墨が周りの色をいっそう鮮やかに見せてくれます。
料理だけでなく、ほかの器との相性も良く、テーブルコーディネートがきれいにまとまりますよ。

藍墨シリーズで日常に彩りを

手彫りだからこそ生まれる、温かさ。手にそっと馴染む、やわらかなフォルム。

藍墨には、毎日でも使いたくなる心地良さがあります。

使うたびにちょっと嬉しくなる。藍墨の器で食卓を彩ってみませんか?


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この記事を書いた人
Hasami Life 編集部(やまぐち)

藍墨の茶碗を愛用しています。白が映えるので、ついついごはんを盛りすぎちゃいます。