色、風合いで味わう、秋のうつわ。

色、風合いで味わう、秋のうつわ。

2020.10.09

秋といえば、食欲の秋。新米やさんま、さつまいもなど栄養豊富でおいしい食べものが旬を迎えます。

少し肌寒さもある季節には温かみのある器を使うと、さらにおうち時間を愉しめると思いませんか? ここでは、秋にぴったりな器を紹介します。



秋色で遊べる器。

飴釉や黄磁釉などの茶系は、秋の深まりを感じさせてくれる色です。同系色の器に、異なる素材の木製トレイを加えると、テーブルコーディネートの幅が広がります。

絵付けや釉掛けなど、豊富なカラーバリエーションが特徴の「essence studio line」なら、秋らしさのあるセレクトができます。シンプルな形状をベースに、職人の技術を活かした、遊び心のある製作手法がコンセプトのシリーズです。

単調になりがちな同系色の組み合わせに、異なる素材の木製トレイを組み合わせることでバランスの取れたコーディネートができる。

es cup<S>は、シンプルな形状のカップに、カラーは10色展開。落ち着いた印象の釉薬4色と、カジュアルな絵付け6色から選ぶことができるので、とても人気なんですよ。

釉薬掛けを得意とする窯元によって作られた、es creamer<S>と、es soy pot<75ml>を、HASAMI PORCELAIN トレイ(リッド) 145mm の上に。

HASAMI PORCELAIN トレイ(リッド) 145mm に使われている素材のウォールナットは、変形などの狂いが少なく、耐久性があります。木製のトレイには、撥水加工が施してあるので、油などの液体汚れも中性洗剤で落ちます。お手入れも簡単なので、大きさに合わせてコースターやお盆など、さまざまな使い方ができますよ。

es creamerは、<S><M>サイズの2サイズなので用途に合わせて、ミルクやドレッシングなどの調味料入れとしてもおすすめ。<S>サイズは、つまようじ入れとしてもちょうどよい大きさ。

es soy pot<75ml>は、中に入れる調味料などの鮮度が落ちないよう、使いきりやすいサイズ。液だれせず、醤油切れもよい。

温かみを感じる器で、
しっとり秋を愉しむ。

器の色はもちろん、質感でも温かみをテーブルにプラスすることができるのが陶器のよさです。さらに、雪をちらしたような斑点の「御本手(ごほんで)」は、窯の中を酸素不足にして焼く、還元焼成という方法で焼成したときに現れます。


「御本手」の由来は、安土桃山から江戸の初期、日本から「お手本」を朝鮮へ送って焼かせた高麗茶碗です。古くから伝わる技法を使ってつくられているんですよ。

思わぬ表情をみせてくれる、「御本手」の特徴である淡い斑点は、位置や数が一つひとつ異なる。

御本 しのぎ7寸皿のリム部分に、職人の手により稜線文様の「しのぎ」が彫られている。

白化粧土が施された陶器は、温かみのある色合いは料理を引き立ててくれ、使い込むほどに味わいが増していくんです。その変化していく過程を愉しむのも、陶器の醍醐味ですよ。

 

上絵の赤で秋を彩る。

赤といえば、どういう色の赤を思い浮かべますか? あざやかな赤、落ち着いた赤など。「568碗」の赤絵は、柿が熟したような赤なので、料理や他の食器ともなじみやすいんですよ。赤い器が一枚入ると、器や料理が引き立ちます。

「568碗」の元となっている、五郎八茶碗(ごろはちちゃわん)は、普通より大きいご飯茶碗のことです。江戸時代初期、肥前の陶工「高原五郎八(たかはらごろはち)」によってつくられたといわれています。

ご飯だけでなく、酒やお茶、惣菜などにも使われてきたといわれる五郎八茶碗は、女性でも片手で持ちやすい細身の形状です。

温かみのある赤絵が特徴の 568碗 松葉紋568碗 赤絵ザクロ(左から)は、深さがあるのでたっぷりの量が入る。

568碗の松葉紋と赤絵ザクロは、波佐見焼では珍しい上絵付という技法を使っています。上絵付(うわえつけ)とは、素焼きした器に絵付などを施し、釉薬をかけて焼成した後に、さらに絵付をすることをいいます。手間はかかりますが、上絵付と下絵付の組み合わせは、奥行きと深みがでるんですよ。


温かさを感じさせてくれる色や質感を選ぶことで秋らしい使い方ができます。今が旬の食べものと、似合う器を探して、秋のコーディネートを愉しんでみませんか?

この記事を書いた人
Hasami Life 編集部