はじまる、グリーンツーリズム vol.2
クラフトツーリズム活動の原点『朝飯会』
クラフトツーリズム。それは、窯業(クラフト)の技術や人に付加価値を見いだす観光事業(ツーリズム)のこと。波佐見町では、地域資源に磨きをかけ、焼きものの町を丸ごと体感してもらおうという取り組みをスタートしています。
波佐見町のクラフトツーリズム活動の原点でもあり、核ともいえるのが『朝飯会(ちょうはんかい)』。朝飯会とは、月に一度さまざまな人々が集まり、朝食をとりながら各々が好きなテーマで自由に語り合う会。いわば、“しゃべり場”です。全国でもたいへん珍しい波佐見町ならではの情報交換スタイルは、たくさんの人々に支持され、昨年12月で200回目を迎えました。
『朝飯会』は人智結集の場
朝飯会の前身は、焼き物卸業の深澤清さんが発起人の『早起き勉強会』。仲間を中心に5~6人だったメンバーは徐々に増えていったそうです。朝飯会という名称でスタートしたのが、2003年5月。この頃には、波佐見町の交流拠点『文化の陶 四季舎』や婦人部『つんなむ会』も発足。町には、様々な形の情報交換の場が登場しますが、月に一度の朝飯会はそんな人智が結集する、重要な場所となっていきます。
朝六時半、まちづくりのはじまり
朝飯会は、毎月第1土曜の午前6時半からはじまります。参加者は、驚くほど幅広く、大学教授や大手企業の重役、アーティストやプロデューサー、はたまた地元の主婦や農家の方、そして学生も、職業・年齢・性別・地域を問わず、来るもの拒まず。ただし、自慢話と宣伝はNG(笑)。
多いときには、50人ほど集まります。指名された順に、簡単なスピーチをするのが朝飯会のルールですが、テーマはどんなものでもOK。「“自分の考えていることを、自分の言葉で話す”、それが最も大事なこと」と主宰の児玉さんは話します。飼っているペットの話、最近食べた美味しいご飯の話など、些細で身近なテーマだとしても「スピーチをする」という目的が加わることで、新しい視点が見つかる。参加者による発表ひとつひとつが、波佐見町のまちづくりのアイディアへ繋がっているのです。
※朝飯会への参加希望者は、特定非営利活動法人グリーンクラフトツーリズム研究会 事務局長 小林善輝(090-8832-0496)まで。毎月第一土曜日に833スタジオ(西の原)にて開催。
(つづきます)