
【レポート】Hasami Life初リアルイベント『つくる つかう 波佐見』@下北沢BONUS TRACK
2025年1月18日、19日の2日間、Hasami Life主催の初めてのリアルイベント『つくる つかう 波佐見』が東京・下北沢のBONUS TRACKで開催されました。
長崎から、そしてネットから飛び出し、波佐見焼を実際に手に取って、触って、感じて、そしてつかってほしい。そんな想いからHasami Life 5周年という節目にあわせて企画したイベントは、おかげさまで大盛況のうちに幕を閉じることができました。
ご来場くださったみなさま、近隣住人のみなさま、現地には来られなくともライブ配信などでご視聴いただいたみなさま、心を寄せてくださったみなさま、本当にありがとうございました!
今回は、初イベントを振り返るレポート記事をお届けします。盛りだくさんの2日間。これはかなり長くなってしまいそう……、さっそくスタートです!
まるで小さな街のようなBONUS TRACKで。
今回の会場となったBONUS TRACKさん。下北沢駅から歩いて5分ほどのところにあり、世田谷代田駅への通り道にも面しているため人通りも多く、おしゃれな空気をビシバシ放ちながらも、実際、地元のみなさんの生活に密着したエリア。
本屋B&Bさん、発酵デパートメントさんをはじめ、複数の飲食店が軒を連ねてまるで小さな街のようになっています。
じつは初日、わたしは高校時代(青森)の友人にここでばったり! なんと、今は近くに住んでいてBONUS TRACKの告知ポスターで波佐見焼のイベントがあると知って楽しみにしていた、と。まさかの偶然にお互い驚きましたし、同時に波佐見焼の人気を実感し、うれしい気持ちに。
遊歩道や中庭には、ベンチや椅子などの休憩スペースもたくさん。ベビーカーを押したご家族や犬と一緒に散歩する人々など、このあたりに住んでいる方と、わざわざきている方が、自然と混在している感じがものすごく居心地がいいんですよね。
今回、Hasami Lifeでお借りしたスペースは、GALLERY・STAND・ROOM・KITCHENの4スポット。それぞれ少〜しだけ離れた場所にありましたので、初めていらっしゃった方は、ちょっとわかりにくかったでしょうか。
担当エリアを決めていた編集部員たちでしたが、最終的にはBONUS TRACKを走りまわって対応。それでもお天気に恵まれて、本当に気持ちのいい2日間でした。
そんな小さな街のなかに現れる「波佐見」を一つひとつめぐってみたいと思います。
初日から大盛況の波佐見焼マーケット
GALLERYでは2日間とも、波佐見焼の販売を行いました。
目玉は、人気の波佐見焼ブランド『HASAMI PORCELAIN(ハサミポーセリン)』や『Common(コモン)』のアウトレットコーナー。本来なら、流通にはのらない「B品」と呼ばれるうつわを売ることで、資源を無駄なく使ってもらう取り組みです。
前日準備の段階から「今日はまだ買えないですよね?」と声をかけてくださるかたがたくさん。初日のオープンと同時にお客さまが集まり、最後までひっきりになしに賑わっていました。
催事やイベントに慣れているスタッフも、目がまわるほどの忙しさだったよう。レジをお待ちいただいたみなさま、ありがとうございました。
今回は、なるべく多くのバリエーションの波佐見焼を手に取っていただくことはもちろん(「波佐見焼」と一口にいっても、窯元によってずいぶん趣が異なるんです)、「ところで波佐見焼ってどんな焼きもの?」という疑問にもお答えできたら、と思っていました。
波佐見焼の大きな特徴「分業制」。波佐見は、作業段階別にそれぞれの職人が担当し、最終的にひとつのうつわに仕上げることが多い産地です。
プロフェッショナルたちの業の数々をどうしてもご紹介したくて、動画とパネルで展示をすることに。現地で今日も粛々と焼きものに対峙する、職人の営みがわずかでも伝わっていたらうれしいです。
ほかにも、これまでHasami Lifeで公開してきたよみものをさくっと楽しめるようにQRコードをつけたパネルを壁一面に。スマホで読み込んでくださるお客さまも多かったと聞き、ネットから飛び出してリアルな場をつくる意味を感じることができました。
下北沢のみなさんは、波佐見焼をご存知のかたも多く、うれしい会話もたくさん。波佐見ご出身のかたもいらっしゃいましたね。この機会に知ってくださったみなさんには、これからたくさん波佐見焼の魅力をお伝えできるよう、わたしたち編集部も、日々学んで、発信をつづけねば!
『つくる つかう波佐見』は、体験イベントも盛りだくさん。次は、土日それぞれのイベントを順番にレポートしていきます。
==【DAY1】2025/1/18 SAT==
【利園×波佐見焼】盆栽の植え替え体験ワークショップ
波佐見焼マーケットから、世田谷代田駅方面へ歩くと、右手に現れるROOMでは、ふたつのワークショップを2日間ともに常時開催。「自分だけの波佐見焼」をテーマに、気軽に楽しめる体験イベントをお届けしました。
ひとつめは盆栽屋の「利園」さんによる、盆栽の植え替え体験ができるワークショップ。「essence of life」シリーズの「es table pot」から好きな色を選び、自分だけの盆栽をつくっていただきました。
ポットに植え替えるだけでなく、枝に針金をかけて木を曲げる工程を実際に体験できるとあり、みなさん興味津々。BONSAI VIBES -盆栽バイブスさんのていねいなサポートで思い思いの一鉢を仕上げていました。
【Common×波佐見焼】切り絵付の体験ワークショップ
人気シリーズ「Common」のうつわに、イラストの入った転写紙や色転写紙を切り貼りし、世界にひとつだけのオリジナルアイテムをつくれます。
お子さまでも簡単にできるので、ご家族でたのしまれるかたも多く、2日連続で来てくださったかたもいらっしゃいました。うれしい!
つくったうつわは、波佐見にある窯で焼いてからのお渡しでした。つまり、波佐見からやってきた波佐見焼は、下北沢で切り絵付され、もう一度波佐見へ戻り、それぞれの持ち主のもとへ旅立ちました。
ずいぶん長旅になりましたが、もう、ご自宅に届いてゆっくりしている頃かと思います(笑)。たくさん、つかってくださいね。
【minokamo×波佐見焼】「みそ料理」教室
日中のKITCHENでは、人気料理家さんとお送りする料理教室を開催。日替わりで講師お迎えし、波佐見焼と食のコラボレーションを楽しみました。
土曜日は著書『みそ味じゃない みそレシピ』が人気のminokamoさんが登場。「マルチポタリークッカー“COTO COTO”でつくるみそ料理」と題して、みそがかくし味のミートソースとみそポタージュの2品をデモンストレーションしました。
ミートソースは地粉で作るすいとん(手打ちパスタ)にかけてお召し上がりいただいたので、しっかりボリュームのあるランチタイムに。すいとんって変幻自在で本当におもしろい料理!
波佐見町でも大変人気の「鬼木加工センター」による〈鬼木の台所〉の麦みそのほか、そば猪口またはプレートの選べるおみやげ付きでした。
実際、波佐見に訪れたこともあるminokamoさんでしたので、波佐見でも思い出トークを交えたにぎやかな時間となりました。「とってもたのしい料理教室でした。また波佐見にもうかがいたいです」とminokamoさん。minokamoさんの波佐見旅はレポートにまとまっています。よかったら、こちらもぜひ、お読みくださいね!
小玉ユキ先生からのうれしいサプライズも!
なんと、漫画『青の花 器の森』の作者である小玉ユキ先生がイベントに足を運んでくださいました。それだけでも大感激だったのですが、すばらしすぎる直筆色紙まで。月刊フラワーズ編集部さんからはお花を。
小玉先生から直接手渡しでいただき、ほんとうに感無量。波佐見焼マーケットに展示していましたが、この直筆色紙を見にいらっしゃったかたもおりましたよ。
Hasami Life編集部の家宝となりました。そして、2日間乗り切るためのパワーとなりました。心からありがとうございました!
【みよし屋×波佐見】タコスパーティータイム
初日の夜は、パーティータイム! 日中、料理教室が行われていたKITCHENには、品川区・中延からタコスとそうざいの店「みよし屋」さんがやってきてくれました。
お店で人気のタコスはもちろん、この日だけの波佐見コラボメニューも登場!
ひとつめは、波佐見の猪肉でつくったスペシャルタコス。いのししのタコスミートにあわせていたのは、なんとマンゴーソース! レシピをいつもいっしょに考えているという and recipeの山田英季さんに話を伺うと、マンゴーのさわやな酸味と甘みのなかに感じる豊かなコクのひみつは 〈鬼木の台所〉の麦みそだそう。甘めの麦みそは、フルーツとの相性もいいのだな、と驚きの新発見でした。
昆布の出汁がしみしみのおでんには、〈鬼木の台所〉の柚子こしょうを添えて。ピリッと辛いトムヤムおでんも、寒い夜にぴったり。波佐見食材のすてきなコラボたちが輝く夜になりました。
ちなみにみよし屋さんが使用しているオリジナルタコスプレートは、なんと波佐見焼。お店を始めるにあたって、内装やレシピと同じくらいうつわにも力を入れたそうで「いいうつわの定義はいろいろあるけれど、がしがし使っても割れないタフなところはそのひとつ!」とみよし屋のオーナー・阿部太一さん。今回もそんな波佐見焼のタコスプレートで提供していただきました。かわいいですよね。
【六十餘洲】日本酒5種、飲み比べ
みよし屋さんのおとなりでは、250年以上の歴史を持つ波佐見町の蔵元「今里酒造(いまざとしゅぞう)」の日本酒 “六十餘洲(ろくじゅうよしゅう)” が楽しめるバーをオープン。
六十餘洲は地元でほとんど消費されてしまうので、なかなか県外には出回らない貴重な日本酒。波佐見焼のお猪口で飲み比べすることもできましたよ。使ったお猪口はひとつ、お持ち帰りいただきました。
1ピースから、1杯から。波佐見のうまいものづくしの夜で初日は幕を閉じました。
==【DAY2】2025/1/19 SUN==
【夏井景子×波佐見焼】「冬の麺レシピ」教室
日曜の料理教室は、季節の野菜を使った少人数制の家庭料理の料理教室を主宰する料理家・夏井景子さんにおそわる「冬の麺レシピ」。
ささっと作れてあたたまる「鶏手羽中の白湯スープ麺」「かぼちゃのカレーカルボナーラうどん」、季節の野菜を主役にした副菜をデモンストレーション。「vit ディープボウル〈S〉」に盛り付けて完成!
みなさんでお召し上がりいただいたあと、そば猪口と夏井さん特製のラー油をおみやげとしてお持ち帰りいただきました。
編集部員もあとから試食させていただきましたが、鶏手羽中の出汁が出たうまみのあるスープ、こっくりと甘い冬のかぼちゃにほっこり。参加者のみなさんの笑顔に納得の味!
レッスンのあと、「波佐見焼、買っちゃいました」とうれしそうにお買いものまで楽しんでくださった夏井さん。ぜひ、いつか波佐見へ遊びにきてくださいね。ありがとうございました。
波佐見の味覚をおすそわけ!
さて、遊歩道に面したSTANDでは、初日はあったかい緑茶やみそ汁のふるまいを、2日目は六十餘洲の飲み比べ(5種/1000円)を行いました。
波佐見の原田製茶さんによるうま味たっぷりの緑茶は「SSポット」の実演をしながら、今回のイベントでたびたび登場する〈鬼木の台所〉の麦みそで仕上げたみそ汁はマルチポタリークッカー「COTO COTO」で温めながらご提供。
前夜に引き続き行われた六十餘洲の飲み比べは、外にも関わらず、ゆっくり楽しまれる方が多く、見知らぬ人との会話も弾み、さながらスタンディングバー!
この日、急遽はじめた波佐見焼のお猪口販売も、宝探しのようにお気に入りを探す姿が見られました。
トークイベントも開催!
会期中は、ふたつのトークイベントを開催しました。
初日は「Common」と「essence of life」それぞれのデザイナーが集まったため、急遽ゲリラライブを。2日目はHasami Life編集部とHasami Lifeの運営元である西海陶器の社長・児玉賢太郎さんによるトークセッションを。5周年の歩みを振り返りました。ご視聴いただいたみなさま、ありがとうございました。
いつもはネットで発信をしているHasami Life編集部。この2日間、実際にみなさんの前に立ち、波佐見焼や波佐見町のことを小さく、熱く、そしてコツコツとお伝えすることの大切さを、改めて実感したイベントになりました。
開催3日前、波佐見でトラックに積み込んだ波佐見焼は、現地編集部員とともに福岡県北九州市の門司港を出発し、神奈川県横須賀市の横須賀港へ到着、陸路で下北沢へやってきました。
『つくる つかう 波佐見』でたくさんのかたに手に取っていただいた波佐見焼。からになったサンテナ(波佐見焼を入れるコンテナ)をトラックに積み込んで、再び波佐見へ。今後も、みなさんとリアルにお会いできる機会をつくっていきたいとHasami Life編集部一同、考えています。
次も下北沢で? それとも別のどこかで?
レポートを最後までお読みいただき、ありがとうございました。お目にかかれる日をたのしみにしています。
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