【きょうも器と。】1皿め “ひとつだけ”がうれしい
波佐見の暮らしや焼きものにまつわる話、そしてちょっぴりプライベートなことまで。編集部員が自由気ままに綴ります(不定期更新)。
過去に連載していたコラムを、今年から復活することにしました。
2026年第二回目は、3月で波佐見町3年目を迎える編集部員すぎたがお送りします。
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こんにちは。Hasami Life編集部のすぎたです。
すこし息抜きをしながら綴るコラム、わたしもはじめることにしました。
ひと口に「波佐見町での暮らし」といえど、人それぞれ。
わたしの波佐見での暮らしや器にまつわるお話を、のんびりとお届けできればうれしいです。

Hasami Life編集部に入ってから2年、みるみるうちに波佐見焼の魅力にハマり、わたしにとって、器はなくてはならないものになりました。
気づけば他産地の焼きものやガラスなどへの興味も増し、器の世界に魅了されたわたしは、今や食器棚を二台買い足すほどに。
どれも思い入れのある器ばかりですし、今後もきっと増えていくことでしょう(笑)。
そんなわけで、毎日悩み、楽しみながら選ぶ「きょうの器とわたし」のひとときをおすそ分けしていけたらと思います。

食器棚って、その人の好みや暮らしぶりが表れますよね。
わたしは「表情のある器」にとにかく惹かれ、つい手に取ってしまいます。
重なった釉薬がにじんで混ざりあった色、偶然生まれた模様、土ものの貫入……
一つひとつの違いを見比べながら選ぶのが楽しくて、個体差だって大好物なのです。
そんなわたしにとって、窯元直売の一点ものと出会える機会は、やはり特別。

先日、波佐見町にある「治甫窯(じすけがま)」さんでは新年の窯開きが行われました。
伝統的な薪窯にぎっしり積み上げて焼かれた器は、まさしく一点もの。
出てくるまでどんなふうに焼けたかわからない。ひとつずつ窯から取り出されるときのドキドキを味わえたのは貴重な経験でした。
たくさんの魅力的な一点もののなかから、スタッフのかたでさえ「こんな色になってるのは初めて見た」とおっしゃっていた、桃色に色づくお碗をゲット。
はじめて訪れた窯で、なんとも素敵な出会い。大切に使います。

とはいえ、こんなふうに器選びのできる機会はなかなかないですよね。
わたしの食器棚だって、作家さんの手がけた一点ものばかりが並んでいるかといえば、そうではありません。
じつは、ショップに数多く並んでいる波佐見焼も、よくよく見ると表情豊かなんですよ。


ちょっとしたところに、手仕事のあとが感じられます。
いわゆる「作家もの」でなくとも、人の手が入った器はすべて一点ものと言ってもよいのではないかと思っています。
波佐見町から世界へ、こんなにもたくさんの焼きものが旅立っていて、日々量産されているというのに、必ずそのすべてに人の手がかけられているという事実こそ、わたしにはいとおしく思えるのです。

さて、きょうの器はこちら。
表情のちがいを味わう器のひとつ、「haku碗」。
波佐見町の「長十郎窯」さんでつくられています。
色を重ねたり、吹き付けたり、筆で塗ったり。
窯に入れて焼き上げると、それぞれに異なる表情が生まれます。

色味やテイストは統一されているけれど、すこしずつちがう。
そんな、“ひとつだけ”の魅力がうれしくて、ずっと大切にしたくなります。
売り場に並ぶ、おんなじに見える器たちの、ちょっとした個性。
目を凝らして、探してみるのも楽しいですよ。

一段と冷え込む夜に、あったかいはちみつ白玉を。町のひとにいただいた旬の八朔を添えて
きょうも器と、いただきます。
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