【きょうも器と。】2皿め 帰る場所は、海の色。
波佐見の暮らしや焼きものにまつわる話、そしてちょっぴりプライベートなことまで。編集部員が自由気ままに綴ります(不定期更新)。
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こんにちは。すぎたです。
夏がやってきました。
2年前、2024年の春先に関東から波佐見にやってきたわたしにとって、3度目の夏です。
いろいろな人と話すなかで、「もう何年もおる気がするね」と言ってもらえることも多く、そのたびに波佐見でちゃんと暮らせているんだなとうれしくなります。
日々、町のスポットや窯元さんなど、さまざまな現場に取材でおじゃまして過ごす時間の濃厚さに、自分自身でも驚くことがあります。
しかし、めぐる季節を思い返し、そこで経験したことを数えてみると、やっぱりまだ3年目なのでした。

夏といえば、なにを思い浮かべるでしょうか。
花火やかき氷に風鈴……そしてやっぱり、海?
ところが、波佐見町には海がありません。
長崎県といえば、日本の西の端で、海に囲まれたような県。そのなかで波佐見は唯一海に面していない町なのです。
はじめ、長崎に移り住むことを考えたとき、「海のそばでの暮らし」を勝手に想像していたわたし。
実際には波佐見町のまわりはほぼ佐賀県で、山に囲まれた町なのだと知り驚きました。
もちろん、ちょっと車を走らせるとすぐに美しい海を見に行くことができるのですが、毎日の暮らしのなかで身近にあるものでもないのです。
そんな海なし町・波佐見に住むわたしにとって、海は、波佐見を出るときに見るもの。
たとえば、大村市にある、長崎空港。
空港への道のりで必ず通る一本道があります。ここから、一面に大村湾が見渡せるんですよ。

夏になると、実家に帰る日が近づいてきます。
久しぶりに家族に会う前のそわそわする気持ちを抱えながら眺める大村湾は、いっそう特別に感じるのです。
思えば、海には昔から漠然とした憧れがあります。
そのせいでしょうか。器を選ぶときにも、つい青い色に目が向くんですよね。

波佐見焼は昔から、青い染付の器が主流です。
長く親しまれてきた色だけあって、料理にもよく合うんですよ。


海を思って選んだ青い器ですが、盛り付けるのは、海のない波佐見でとれた食材だったりします。
毎日が、地産の器と食のコラボレーションです。
先日、窯元で働く知り合いから、朝採れの野菜をいただきました。
会社などで日常的に顔を合わせるわけではないけれど、「できたけん取りに来んね」と声をかけてもらえるのが、とってもうれしいんですよね。

いつももらってばかりなので、なにかお返しがしたいなと常々思っているのですが、「そんなん気にせんでよか」と言ってくださいます。
まるで親戚のような波佐見のみなさんのあたたかさには、この2年間、何度も救われてきました。
この夏は、帰省先でおみやげを買って帰ろうかな。

さて、きょうの器はこちら。
こちらも光春窯さんの、深さのあるボウルです。
我が家ではもっぱら、丼として使っています。
深く鮮やかな青色と、素地の黒っぽい土の色が合わさって、深海のようなイメージ。
黄色や白、赤や緑といった食材の色がよく映えて、おいしそうに見えるんですよ。

今回のひと皿は、とにかくさっぱりしたい暑い日に作ることの多い、「きゅうりと生ハムのバジルそうめん」。
市販のバジルソースと牛乳(もしくは豆乳)をまぜ、茹でたそうめんをイン。
たっぷりきゅうりと、アクセントに生ハムと大葉もトッピングしています。
フライドオニオンや粉チーズをかけると、風味も食感もより楽しくなりますよ。
トマトや生バジルの葉があるとこれまた最高なのですが、きょうのメインはきゅうり。
麺をすすって、きゅうりをシャキシャキ!
新鮮な野菜は、それだけでごちそうです。
生で食べられる食材だけでつくると、麺を茹でる以外は火を使わずに済むので助かります。

サッと作った料理を、海色の波佐見焼に盛り付けて。
そんな夏の食卓も、すっかりお気に入りの風景です。

きょうも器と、いただきます。
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