町ごと楽しむ4日間『オープンハサミ』イベントレポート

町ごと楽しむ4日間『オープンハサミ』イベントレポート

2026.11.06

2026年10月31日(土)~11月3日(火・祝)の4日間、波佐見町の新しいイベント「オープンハサミ」が開催されました。

イベントの趣旨はこちらの記事でご紹介しています


春の一大イベント「波佐見陶器まつり」に続き、今後は秋の大きな文化イベントとして根付いていきそうなオープンハサミ。編集部も楽しみにしていました。

期間中、町内をあちこち巡り、たっぷり取材してきました。
今回は、そのようすをお届けします。


早朝のうどんで開幕!?

初日、10月31日。
朝7:00からはじまる“ある企画”でオープンハサミは幕を開けました。

その名も「朝うどん会」。

早朝から工場の前は大賑わい!

波佐見町内で、長崎名物のちゃんぽんの麺をはじめとする麺類をつくる水谷製麵所さんによる、今回で5回目となる企画です。

こちらの企画のすごいところは、茹でたてのおいしいうどんがたったの300円でいただける点。しかもおかわりも自由です。なんという気前のよさでしょうか。

つるっとのどごしのいいうどんに、卵を割り入れて醤油をかけたら、たまらないおいしさ!


1杯目は釜玉うどん、2杯目は黄金色のあごだしを注いでかけうどんに。

また、近隣の老舗・割烹堀江さんや、町内のレストラン・La Seconda Casaさんによるトッピングの提供もあり、贅沢な食べ比べを楽しむことができました。

たくさんの人が集まって、みんなで朝ごはんをいただく。
水谷製麵所のみなさんや、運営にかかわる方の心意気を感じる、とても素敵なひとときでした。


イベントカラーに染まった波佐見町講堂

心も身体もぽかぽかしたところで、町を回っていきます。
オープンハサミ期間中の波佐見には、カラフルなのぼりや法被があちこちに登場していました。

なかでも、イベントの拠点となる波佐見町講堂は、いつもの落ち着いた佇まいとは少しちがった装いに。

入口には、オープンハサミの理念やロゴの説明も

建物内では、大きなマップやインフォメーションもあり、イベント全体の情報が得られる場所に


講堂内には、インフォメーションだけでなく、ワークショップや『テーブルウェア波佐見展 2026』のコーナーも。

日常の食卓を彩る波佐見焼が、ちょっぴりドレスアップ。
毎年冬に東京で開催される「テーブルウェア・フェスティバル」に参加する11社によるテーブルコーディネートと器の販売が行われていました。

いつもよりフォーマルな装いにときめき

波佐見焼の新たな一面に、驚いた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
これからもアップデートを続ける波佐見焼にも、注目です。

みんなの“いつもの仕事場”におじゃまします

さて、今回のイベントの目玉となったのは、やっぱり工場見学。
いつもの仕事場を特別にひらいてくださった事業所のいくつかにおじゃましてきました。

まずは、焼きものづくりの場面から。
人気の「マジョリカ」などを手がける中善さんは、創業109年の歴史ある窯元です。

工場内に並ぶ大量の生地や道具、窯は圧巻。

絵付けや釉薬がけ、窯積みなどの工程を間近で見ていると、ていねいでスピード感のある職人技に思わず息をのんでしまいます。

窯元によっても設備や得意とすることがそれぞれ異なります。
複数まわって、それぞれ比べてみるのも勉強になりますよ。

また、今回ひらかれていた中には、波佐見焼の工場以外も。
それぞれとってもおもしろく、発見が盛りだくさんでした。
今後、よみものでくわしく取り上げたいと思っていますが、今回はその一部をご紹介します。


工芸イワナガさんは、“木箱”をはじめとする木製品を専門につくる会社。

木箱といえば、器やそうめんなどのパッケージのイメージがありますよね。

裁断、磨き、組み立て、焼き印や箔押しなどの加工……一枚の大きな板から箱ができるまでに、想像以上の手間や時間がかかっていました。

木箱づくりだけでなく、さまざまな加工を施した木製品も。木の可能性を感じます

清水築炉さんは、工場などで使われる窯や工業炉の築炉工事や補修を手がける会社。
波佐見焼の窯についても、メンテナンスなどで産地を支えています。

工業製品の熱処理やごみ処理などの要となる炉。
耐火レンガを積んでいく過程を見せていただくと、ミリ単位の正確な技術!
手さばきが魔法のようで、見入ってしまいました。

レンガ積み体験もしましたが、ひとつ3kg超えのレンガは重く、2つほどが限界でした。そして、接着剤となるモルタルを塗るのがとにかくむずかしかったです。

安全に正確に、すばやく。見えないところでわたしたちの暮らしを支える仕事を実感しました

最後に伺ったのは、波佐見の地で50周年を迎えた、丸研特殊印刷さん。
商品パッケージなどに使われるシールやラベルを専門につくる会社です。

3年前に新設したばかりという工場で、仕事風景を見せていただきました。

使用する紙やインク、糊や型……想像を超える選択肢のなかから最適なものを組み合わせ、オーダーメイドのシールをつくる技術。
ふだん何気なく目にしているシールやラベルの裏側に、ワクワクが止まりません!

キラキラの箔押しや、表面温度の変化で文字が浮き出るものも。「どうなってるの?」ともっと知りたくなります

波佐見町に住んでいても、まだまだ知らないプロの仕事がたくさんあります。
こうした現場との出会いが、いつか「ここで働いてみたい」という選択肢につながることもありそうです。

来年以降も、たくさんの仕事場がひらかれることを楽しみにしています。


自分でもやってみる。体験が思い出に

仕事場をのぞいて、ものづくりの裏側を知ったあとは、今度は自分でも手を動かしてみます。

オープンハサミでは、ワークショップも各所で行われていました

作ったあとも、毎日使えるお気に入りに。器の絵付体験

藍染窯さんでは、工場を見学探検してクイズラリーをしたり、絵付けをしたりしてポイントを集めるツアーが開催。参加者が絵付けしたタイルは、後日焼成され、工場の壁を彩るひとつのアートになるんだそう!

たたみの福田さんによるミニたたみづくり体験も。素材へのこだわりを聞き、畳がもっと身近に

木のパーツを組み合わせて色を塗って。工芸イワナガさんのクリスマスリースづくりには子どもたちも夢中

自分でつくったものを持ち帰れる体験もあれば、藍染窯さんのように、後日また町を訪れるきっかけになる体験も。
それぞれのかたちで、オープンハサミの思い出がその先へ続いていくのも素敵です。


町がひらくと、出会いが生まれる

4日間、あちこちを巡り感じたのは、いつもよりも町がひらかれることで、たくさんの新しい出会いが生まれていたことです。

仕事を知ったり、つくり手と話したり、自分でも手を動かしてみたり。
それぞれの場所で、いつもの波佐見とは少しちがう風景が広がっていました。

また、ふだん波佐見町で暮らし、働くひとたち同士の交流が盛んになっていたのも印象的でした。
お互いの仕事場を行き来して、体験して。楽しみながら「もっといい町にするには?」と前向きな会話が生まれていたことも、このイベントの魅力だったと思います。

2025年のプレイベントを経て、今回は初めての本開催でした。
次回以降、さらにたくさんのひとや企業が参加し、それぞれの仕事や活動がひらかれていくことで、また新しい出会いやつながりが生まれていくのだと思います。

そんな積み重ねの先に、オープンハサミが波佐見の秋の風景として根付いていくのかもしれません。
来年の開催が、今から楽しみです。


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この記事を書いた人
Hasami Life編集部