めくるめく器の祭典へ! テーブルウェア・フェスティバル2024 現地レポート

めくるめく器の祭典へ! テーブルウェア・フェスティバル2024 現地レポート

2025.02.28

去る2024年11月28日(木)~12月4日(水)、『テーブルウェア・フェスティバル2024~暮らしを彩る器展~』が開催されました。

前年に引き続き、会場は東京ドームシティのプリズムホール。日程はさらに早まり、11月末からの開催となりました。

Hasami Lifeではこれまでも何度かレポートをお届けしていますが、今回は、波佐見町の出展窯元や商社の新商品開発の現場に約半年間密着した編集部員が、イベント当日のようすをレポートします!

開催から少し時間が経ってしまいましたが、ぜひぜひご覧ください。


いざ、きらびやかなテーブルウェアの世界へ!

初日、会場に到着すると、開場前からすでに行列が。かつてに比べると会場規模の小さくなったイベントですが、依然としてその期待の大きさがうかがえます。

ゲートをくぐると、ツリーとともに『ウェルカムコーナー』がお出迎え。
クリスマスムードが高まる12月にかけての開催で、随所にその雰囲気が漂っておりわくわく。

テーマはグラマラスなホリデー。とびきり豪華な空間が待ち受けていました。

まずは、ウェルカムドリンクをイメージしたディスプレイ。

きらきらのガラス製品がたくさん!
シルエットが美しく、薄くて繊細なもの、「カガミ」の上品な江戸切子など数々のグラスにうっとり。色の組み合わせでホリデーを感じさせてくれるものも多かったです。

おや、こちらはポスターやチラシなどのメインビジュアルになっているテーブルコーディネート!

ロイヤルクラウンダービー」による、イギリスの「ロイヤルアルバートホール」をモチーフにしたシリーズです。シンプルな白磁に、緻密な黒の絵柄、建築を思わせる蓋の形状などがとても素敵でした。

向かい側には、住空間をイメージした大きなコーディネートが。

青みのあるグリーンを基調とした部屋は、落ち着きもあり贅沢な空間。差し色のゴールドやガラス、白が明るさも演出していますね。

さて、見惚れるあまり、入口でずいぶん長居してしまいました。
先へ進みましょう。


うるわしき漆に感激。

ウェルカムコーナーを抜けると、今回のメイン企画のひとつ、『能登復興応援企画』の展示が。

ふだんは陶磁器をメインに発信しているHasami Life編集部ですが、もちろん漆器にも興味あり。学ばせていただきます……!

震災を乗り越えた「輪島塗」の漆器には、力強さ、繊細さを兼ね備えた美がありました。

「白漆(しろうるし)」と呼ばれる淡い色の漆。ベージュと黒、ゴールドを合わせたコーディネートは、柔らかさと品の良さが際立ちます。モダンな雰囲気で、現代の食事シーンにもマッチしそう!

2頭の黄金の龍が全面に施されたこちらは生き生きとしており、迫力満点。鱗や毛並み、手に持った珠は繊細で、超絶技巧とはまさにこのこと。

下の大皿は、「研ぎ出し」という技法を使って太陽をかたどっているとのこと。
漆にもたくさんの技法があるんですね。


能登復興応援企画の一環として、漆器と能登ジェラートのマリアージュを楽しめるコーナーもありました。

好きな器とスプーンを選び、そこへ世界一の称号を得たジェラテリアの手がけるジェラートを盛り付けてもらえます。

ジェラートは6種類あり迷ったのですが、器のほうもたくさん。どれも気になる形や色ばかり。
使ってみたい漆器を選ぶのがとても楽しかったです。

驚いたのは、漆のスプーンの口当たりの良さ! あまりにもなめらかで、これは自宅で使いたい……!


大小さまざまなブースで、産地めぐり!

会場内には、産地ごとに構える大きなブースや、個人出展の小さなブースがずらり!
カトラリーやマットなどの布製品、木のうつわ……どんどん目移りしてしまいます。


産地ごとの大きなブースは全部で5つ。

波佐見のお隣、佐賀県の有田焼。伝統的なモチーフや高い技術を活かしながら、モダンやスタイリッシュな食空間にも合いそうな器が目立ちました。

波佐見と同じく長崎県の、みかわち焼。美しい白磁と青色が特徴。菊の花びらを一枚ずつ立体的に切り出した花瓶など、精密な職人技に感嘆。

中世から続く産地である「六古窯」のひとつ、とこなめ焼。
急須が有名な産地ですが、伝統的なものだけでなく、カラフルでかわいらしい形の茶器もたくさん! 個人的には、珈琲をおいしく淹れられる急須というのが気になりました。

美濃焼・多治見ブースは、色や質感、形さまざまな器がバリエーション豊かに並んでいました。
美濃焼は全国一の生産量を誇っており、食卓に取り入れている人も多いのではないでしょうか。

そして、こちらが波佐見焼ブース!
クリスマスをイメージしたショーウィンドウには、各社の新商品を用いたちいさなテーブルセッティングが並びます。

ブース内には新商品を中心とした13社の商品がディスプレイされ、来場される方はみなさん、新たな出会いに目を光らせていました。

ブースの中心を飾るのは丹心窯の器たち。質の高い白磁と、透明感のある水晶彫、アール・デコを思わせるモチーフや柄が好評でした。毎年少しずつ集めているファンもいるようです。

ひとくちに「波佐見焼」といっても各社それぞれ、個性あふれる商品が並んでいて楽しい!
ブース内はまるで、ちいさな波佐見焼博覧会です。

「カジュアルリッチ」を掲げる波佐見焼は、あたたかみもありつつ、このゴージャスなイベントでもしっかりと輝きを放っています。
ホテルや飲食店、ホームパーティーでも食を彩ってくれるような頼もしさを感じました。


実際に波佐見焼ブースの盛り上がりを目にすると、毎年この日のために新商品を開発するという波佐見焼の動きは、つくり手にとっての刺激にもなり、来場する方の楽しみのひとつにもなっているのだな、と実感しました。


わくわくドキドキする器を。“次の時代の波佐見焼”への飽くなき探究に迫る。」こちらの記事では、テーブルウェア・フェスティバルをひとつの目標に、より高みを目指す波佐見焼の取り組みを追いかけています。


世界が広がるテーブルウェア・フェスティバル

ほかにも、会場内には「テーブルウェア大賞」のコーナーもあり、コンテストの受賞作品が展示されていました。

各コンセプトに基づいて、盛り付けられたお料理まで想像できるようなセッティングに心の中で拍手。

季節や場面に合った色づかいや素材選びがなされていて、洗練されていながらも、席に座った人がリラックスして食事の時間を楽しめる空間設計……プロフェッショナルの業ですね。

こうして見ると、わたしたちの日常を彩る食空間は、陶器、磁器、ガラス、漆、木、さらには布製品まで、ほんとうにたくさんの種類のテーブルウェアで構成されていますよね。

わたしも波佐見焼とはまたちがった風合いの作家ものやカトラリーなどをゲットし退散です。
さっそくおうちの波佐見焼と組み合わせて活躍してもらってますよ。


たくさんのうつわを見て、ふれて。「今後、波佐見焼を食卓にじょうずに取り入れるためのご提案ができるよう、陶磁器だけでなく、ひろくテーブルウェアについて学んでいきたい」と奮起した編集部員。

刺激たっぷり、心のうるおう取材となりました。


~お知らせ~

今回ご紹介した「テーブルウェア・フェスティバル2024」に出展した13社の新作の器たちが、波佐見町に帰ってきます。

波佐見町にあるショップ・ギャラリー『ÔYANE(オーヤネ)』にて、2025年3月1日(土)~4月23日(水)の期間中『Tableware Homecoming テーブルウェア・フェスティバル里帰り展』の企画展を開催予定です。

東京ドームの会場に行けなかった方も、ÔYANEにぜひ足を運んでみてくださいね。
詳細や最新情報はÔYANEのInstagramにてご確認ください。


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この記事を書いた人
Hasami Life 編集部(すぎた)