HOME よみもの 波佐見を歩く 学びと交流の場所『波佐見ミュージアム』OPEN! 2021.07.21 学びと交流の場所『波佐見ミュージアム』OPEN! by Hasami Life 編集部 2021年7月21日、波佐見町に「波佐見町歴史文化交流館(愛称:波佐見ミュージアム)」が開館します。 Hasami Life 編集部は開館前にひと足早く、内部を案内してもらうことができました。波佐見町の歴史や波佐見焼についての学びがあることはもちろん、カフェや休憩室も設置されていて、広い芝生の庭があり、町民にも観光客にも楽しんでもらえる場所です。写真とともに詳しくお届けします! 今回は波佐見ミュージアムに常駐している学芸員の中野雄二さんにお話をうかがいました。以前Hasami Life でも「THE HASAMI-YAKI vol.3」で波佐見焼の歴史について話していただいたこともある、とっても頼りになる方です。 中野雄二波佐見焼の発掘調査や歴史探求を続ける学芸員。波佐見ミュージアムの展示にも大きく関わっている。ちょっと難しい歴史の話も気さくにわかりやすく説明してくれる。 波佐見ミュージアムは民家を改装してつくられた 波佐見ミュージアムは廃業した製陶所を営んでいた、旧橋本邸をリノベーションしてつくられました。立派なお屋敷です。 民家だったとは思えない玄関の広さ。バリアフリーにも対応。 玄関から上がると、すぐに見取り図が。さっそく中野さんに案内していただいて、回ってみましょう。 旧石器時代からの、波佐見の歴史 焼きものだけでなく、古代からの歴史が学べる「常設展示室1」。 「これまで波佐見町の仏教の歴史はあまり調査されていなかったので、最新の研究結果をお届けする展示になっています。今回は仏教とキリスト教、両方の歴史が学べるようにしました。キリシタン全盛のころには、波佐見出身の原マルチノが天正遣欧少年使節としてローマ教皇に謁見もしているんですよ」と中野さん。 石碑や土器などの資料もあり、クイズも用意されています。子どもから大人まで楽しめそう! 波佐見で金が採れた?! 「常設展示室1」に引き続き、「常設展示室2」では江戸時代からの歴史を辿ることができます。 波佐見町には金山があり、本格的な採掘がされていたんですって! 山々に囲まれたこの盆地に、外国からも金山掘削のための技師が来ていたそう。当時は迎賓館もあったとのことです。 玄関ホールから「常設展示室1」への通路には、迎賓館に置いてあった衝立(ついたて)が飾られている。帽子をかけたり、傘立てにしていたそう。 まるで美術館、特別展示室。 焼きもの以外の歴史もおもしろいけれど、やっぱり器ももっともっと見たい! そんな気持ちで隣の「特別展示室」へ足を踏み入れると、雰囲気が一変します。 落ち着きのあるシックな空間に、波佐見でつくられてきた焼きものが並んでいます。 「ここは美術館のように楽しんでもらいたいと思って、内装と展示を考えました。今は江戸時代につくられた青磁の器を年代ごとに並べています。半年に1回くらいは展示内容を変えていくつもりです」 焼きものを専門に研究されている中野さんによる展示は、器の裏側の写真まで添えてあり非常に見やすい。焼きものが好きな方、必見! 波佐見ミュージアムには学芸員さんが常駐しているため、案内してもらうことも可能。詳しく話を聞きたい方はぜひ受付でお声掛けください。 まだまだお宝が眠ってる! 波佐見ミュージアムには、陶磁器をはじめ、寄贈されたコレクションが数多くあるそう。新しく併設された収蔵庫には、さまざまなお宝が眠っているので中野さんも「特別展示室の展示内容を変えていくにあたって、ネタ切れすることはないでしょうね」と笑っていました。 収蔵庫も特別に見せてもらいましたよ! これは、今後の展示も期待大です! 喫茶室と庭で、くつろぎの時間を。 展示を満喫したら、ちょっとコーヒーでもいかがですか? 玄関の横には、喫茶室があります。 その隣には休憩室もあり、喫茶室でオーダーしたコーヒーをいただくこともできます。 素敵な和の空間でゆっくりコーヒーを飲む……ぜいたくな気分が味わえます。もちろん、持ち込んだ飲みものを飲んで自由に休憩してOK! ひと息つきましょう。 さらに、休憩室に面した屋外には芝生が広がっています。「庭のような、公園のような、みんなが集まる場所にしたかった」とのこと。 ちなみに、造園を担当したのは、波佐見町にある西海園芸の山口陽介さん。国内外で活躍する庭師さんです。 とくに注目の中庭は、薪窯の燃料である赤松と、磁器の原料である陶石(波佐見で採れたもの)が使われた斬新な仕上がり。とてもかっこいいです! 何度も訪れたくなる、学びと交流の場。 建物自体も歴史があり、喫茶室や休憩室もある波佐見ミュージアム。じつは町民ギャラリー兼講座室もあり、すでに波佐見高校のポスター展示の予定もあるのだとか。波佐見町のことを楽しく知ることができる場です。しかも、入館無料! 「歴史が学べて交流できる場所をつくろうという構想が持ち上がったのは、2009年ごろでした。その後、2015年に建設検討委員会がつくられ、具体的な内容を検討しはじめたんです。当初は新たな建物を立てる予定だったんですけど、この旧橋本邸を波佐見町が入手できることになって、この場所に『波佐見ミュージアム』をつくることが決まりました。結果として、雰囲気のよい空間をつくることができてよかったですね」と中野さん。 Hasami Life 編集部も何度も訪れて歴史を学びつつ、お弁当を持参して庭で食べたりして波佐見ミュージアムに集う方々と交流したいと思います。 +++ 波佐見町歴史文化交流館(愛称:波佐見ミュージアム)入場料:無料開館時間: 9:00〜17:00休館日:毎週火曜日/年末年始住所:長崎県東彼杵郡波佐見町湯無田郷1010-1駐車場:17台ほど電話番号:0956−85-7355メール:bunkazai@town.hasami.lg.jp※やきもの公園から徒歩10分ほどです。 Tweet 前の記事へ 一覧へ戻る 次の記事へ Hasami Life 編集部 この記事を書いた人 Hasami Life 編集部 関連記事 2023.07.22 西の原9店舗散策まとめ 波佐見町の人気スポット「西の原」は、古くから続いた福幸製陶所の跡地に建てられました。当時の面影を残した建物では、現在9店舗が営業しています。 地元民はもちろん、県内外から観光客がやってくる場所、波佐見へきたら、ぜひとも立ち寄ってほしい場所。 9つのお店を一挙にご紹介していきます。 2023.07.21 西の原散策~ ➒氷窯アイス こめたま編 ~ 「氷窯アイス こめたま」は、季節の味が存分に楽しめるアイス屋さん。西の原エリアの一番奥にあります。 メニューはキャラメル系、チョコ系、フルーツ系の大きく3つに分かれており、季節ごとに旬のフレーバーが登場。もちろんドリンクメニューも同様にシーズンごとに違う味が楽しめます! 2023.07.21 西の原散策~ ➑にぎりめしかわち編 ~ 「にぎりめし かわち」ではその名の通り、波佐見町の川内(かわち)地区で作られたお米や食材を使ったおにぎりが食べられます。 具材の味噌や梅も手作り。店内で自由に食べられるダイコンやキュウリ、ゴーヤなどのお漬物も毎朝手づくり。このお漬物は販売している日もあるそうなので、気になる方はレジ横のカウンターを要チェック。
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