波佐見焼の魅力を伝える Hasami Life 編集部に密着!
2019年12月にスタートした『Hasami Life(ハサミライフ)』は、波佐見焼と波佐見町の魅力を発信するメディア型オンラインサイトとして誕生し、今年で丸4年を迎えようとしています。
「波佐見焼や波佐見町、職人の手仕事のことを知ってもらいながら、ご自宅に波佐見焼を迎え入れてほしい!」
これがHasami Life編集部の願い。週1回のよみもの配信を中心にさまざまな活動をしています。実際、どんな仕事をしているのでしょうか?今回は、編集部員のたぞえさんに密着します。
確かな手仕事とおだやかな風土が生み出す
波佐見焼の魅力を伝える。
商品情報だけではわからないものづくりの様子、職人さんたちに直接取材したストーリーを、写真と文章を織り交ぜながらお届けすることが編集部の使命。公式サイトのほか、各種SNS、LINEでも随時情報を発信をしています。
トップ画像で撮影しているマグカップは「dip mug」。“掛け分け”という伝統的な技法を使い、上下半分ずつ異なる釉薬を施すため、境目部分の生まれる手仕事ならではニュアンスが人気の秘密です。
このような商品撮影も編集部の仕事のひとつ。商品をていねいに観察し、独自の視点で掘り下げることができるのは、少人数で運営しているからこそ、できることでもあります。現在、これらの仕事を担当しているのが、入社3年目のたぞえさんです。
Hasami Life編集部の1日
Hasami Lifeの運営元は、長崎県波佐見町にある焼きもの商社『西海陶器(さいかいとうき)』。先日『カンブリア宮殿(地域再生と生き残りを懸けた長崎発!陶器商社の全貌)』にも登場し、注目を集めました。
大学時代から、波佐見町の魅力に注目し、町へ通っていたたぞえさんは新卒で西海陶器に入社。2年目からHasami Life編集部へやってきました。
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【ある日のたぞえさん】
7時50分:出勤
7時55分:朝礼
8時:受注処理
9〜12時:校正、入稿作業
13時:商品の箱詰めなど
14〜16時:商品の撮影
16〜17時:企画
17時:退勤
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たぞえさんの1日は受注処理から始まります。
ご注文いただいた商品をなるべく早くお届けするため、朝一番で作業。包装などのご希望も、しっかり担当部署に引き継ぎができるように何度も確認。在庫がない場合は、町内にある系列店に問い合わせをして確保します。
Hasami Lifeの商品は、このように長崎県波佐見町からご購入していただいたみなさんへお送りしています。つまり産地直送!
もちろん、編集部も社内にあり、地域密着型の情報発信を心がけます。ライターさんに記事をお願いする場合も、町まで来ていただいて取材をしてもらっています。
記事の内容に関する打ち合わせはもちろん、上がってきた原稿をチェックし、システムへ入稿するのはたぞえさんの担当。商品情報やリンクチェックなどは念入りに。Hasami Lifeでは、Shopifyというサービスを利用してオンラインサイトを運用しています。
「入稿作業では、HTMLと呼ばれるコンピューター専用言語も多少触らなければなりません。大学の授業で基礎的な内容は学びましたが、業務となるとわからないことも出てきますので、外部パートナーとして伴走してくれているスペシャリストの方にチャットで相談します」とたぞえさん。
お昼休みには、同期のまつえさんとランチへ行くことも。部署が違うからこそ話せること、相談できることもたくさん。最近は、社内の若手だけで食事へ出かけることも増えたそうです。
束の間の癒やし時間のあと、午後は本社の近くにあるショールームへ。Hasami Lifeを楽しみにしてくださっているみなさんに「次はどんなうつわを紹介しよう」と考えます。
「このすゑひろ碗は、Lを丼にし、Sを蓋にすると、かわいいんですよ」
デスクに戻ると、実際にすゑひろ碗を紹介するためのプランを描いたラフを見せてくれました。
「Instagramのリール投稿で形や使用感をお届けできたら、と考えています。わたしはもともとライターではないので、何かを発信することになるなんて全く思っていなかったのですが、今ではときどき記事も書くようになりました。こちらも外部パートナーの編集者さんに読んでもらい、何度も校正してから公開しています」
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「Hasami Lifeの業務は、やったことのない内容ばかりでしたので、当初は戸惑いもありました。社内で他のネット販売を担当するチームのみなさんに写真の撮り方や盛り付け方など教えてもらったり、前任者の撮影した画像を研究して毎回、同じアングルにならないように気をつけたり。料理を盛り付けた時の使用感をお伝えしたいのですが、料理ではなく、うつわが主役に見えるように撮るのがとても難しいんです」
波佐見の手仕事を学び、
職人のすばらしさを伝える。
日常業務のほか、取材へ同行することもあります。この日は、長崎ご出身であり、テレビや雑誌で大活躍の料理家・山脇りこさんが波佐見へやってきました。
先輩と一緒に波佐見やお隣の嬉野をアテンドしながら、波佐見焼にまつわるさまざまな職人さんたちをご紹介、お繋ぎしていきます。
とはいえ、まだまだ知らないことばかり。取材に同行しながら、焼きものや地域の知識も増やします。カメラマンとしての役割も担っているため、責任は重大。少々、緊張しているようです
(山脇りこさんによるエッセイも近日、公開予定です。おたのしみに!)
Hasami Lifeのコンテンツづくりで最も特徴的なのは、取材対象との距離がきわめて近いこと。
原稿のご確認も、メールではなく、直接足を運んでお願いすることだってあります。「聞き忘れたこと、もっと教えてほしいことなどは、あとから追加でご相談することもありますが、みなさん、とても親切に教えてくれます。お忙しい中、取材にご協力してくださって本当にありがたいですし、生の声を聞けるのはとにかく勉強になります。」とたぞえさん。
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取材や撮影のほかにも、実際にお届けする商品の箱詰めを手伝うことも多いですし、東京で行われる「テーブルウェア・フェスティバル」、半世紀以上つづく「波佐見陶器まつり」など、イベント等へ駆けつけて生活者のみなさんの声を聞く機会もあります。
よみものを配信すること、お買いものサイトを滞りなく運営すること、それは目に見える主な仕事ではありますが、波佐見焼とさまざまな接点を持ち続け、学び続けるのもHasami Life編集部の大事な仕事です。
波佐見ってどんなところ?
たぞえさんは、長崎市出身。西海陶器には、寮が完備されており、そこに住んでいます。「ちょっと古いんですけどね。新しくしてくれたらなぁ」と笑います。
波佐見は、車さえあれば、とてもアクセスのよい場所。たぞえさんの地元・長崎市内までは約1時間。武雄温泉や嬉野温泉までも30〜40分、福岡市内や佐世保までも運転圏内。休日は特に町外に出かけることが多いそうです。
「町内にも西の原やHIROPPAなど、おしゃれで素晴らしい場所はあるのですが、週末は観光客でにぎわっているんです。あ、でも早起きできたら、COFFEE MUSUMEさんにはよく行きますね。モーニングがとってもおいしいんですよ」
波佐見町にも、波佐見焼にも、どんどん詳しくなってきたたぞえさんですが、今冬、Hasami Lifeを卒業することを決めたそうです。
「詳しくはまだお伝えできる段階ではないのですが、波佐見で学んだことを活かして新しい仕事にチャレンジしたいと考えています。穏やかな波佐見の人と街がつくる自由な雰囲気には、もちろん変わらずに魅力を感じています。移住者も多いので、わたしの仕事を引き継いでくれる方がいたら、心からうれしく思います。いまはHasami Lifeオリジナル商品の開発を企画中なので、実現までこぎつけられるようにがんばりたいと思っています」
Hasami Life編集部の日常は、いかがでしたでしょうか?
たぞえさんからのコメントにもありましたが、波佐見町は移住者が多い町。焼きもの業界の中でも、特に新しいチャレンジを応援してくれる町でもあり、新しくアトリエを持つ作家さんも増えています。産業として焼きものを生み出す技術や取り組みもしっかりしているので、焼きものに興味があるみなさんは、ぜひ、一度遊びに来てくださいね。
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