波佐見陶器まつり2024 現地レポート!【開催終了】(4月29日~5月5日)
とうとうやってきました、波佐見陶器まつり。
世間はゴールデンウィークの連休の期間ですが、波佐見町は一年のうち、最も盛り上がりを見せます。あらゆる器がいつもよりリーズナブルに販売されるこのイベントを、今年も待ちわびていた方も多いのではないでしょうか。
今年は4月29日から5月5日の開催となっています。(※一部27日から6日までの日程で開催している店舗等もございます。詳しくは各店舗や窯元のお知らせをご覧ください。)
今回は、開催初日に編集部が現地を取材してきました。
会場の賑わいの様子を、現地で聞いた声や盛りだくさんの写真とともにレポートします!
波佐見陶器まつりの歴史や基本的な情報はこちらの記事にてご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
なんといってもメイン会場、やきもの公園へ!
さて、2024年4月29日。新体制のHasami Life編集部にとって初めての陶器まつり。毎年イベント参加者でごったがえすと聞いていたため、わくわくと緊張が半分半分で、いざ、会場へ――
なんと雨。わたしたちは傘を持ちつつレインコートも着て、フル装備です。
天気予報を見ていたものの、当日のどんより雲とじっとりした雨の日の空気には少しがっかり。編集部ふたりは「残念だね」などと言いながら車を降りてメイン会場であるやきもの公園に向かいます。
しかし、同様に道ゆく方々の様子を見てみると、そのほとんどが笑顔! 雨をものともせず、元気に歩いています。陶器まつりへの期待度の高さが窺える一場面でした。
そもそも陶器まつりのこの時期は、二十四節気でいうと「穀雨」。これから育つ穀物に、恵みの雨がたっぷりと降り注ぐ頃であるとされています。窯業だけでなく農業も盛んな波佐見にとって、大切な雨かもしれません。
嘆いてばかりはいられない、天候に負けず、わたしたちも全力で盛り上げねば……!
そして、朝の8時前、やきもの公園に到着しました。
公式での開催時間は9時からとなっていますが、会場内には徐々に人が集まっています。
各商社、窯元こだわりの器がそれぞれのブースに陳列されています。
陶器まつりの来場者は「とにかく安く、たくさんほしい!」という方が多いのではないでしょうか。並べられた器も、ぎっしりと数重視、のブースが多いように見受けられます。これからどんどんお客さんの手元に渡っていくのだろうな。
まだ若干スペースに余裕があるテント内を見回っていると、あっという間に開催時刻となりました。オープニングセレモニーが執り行われると聞き、急ぎ外へ。やきもの公園の入口ゲートに向かいます。
雨は本降り、全員傘を差しながらの開会式です。
地面に敷かれたレッドカーペットには、お祭りらしい真っ赤な法被の陶器まつり協会の面々。それに対して粛々と進められる式典のギャップがなんだか可笑しく、思わず笑顔になります。
いよいよ開会を告げるテープカットです。
『波佐見陶器まつり2024』スタート!
波佐見陶器まつり協会の現会長である『和山』の社長、廣田さんにもご挨拶。
素敵な笑顔で「雨男なんだよね」。こちらも雨を覚悟していた様子。
無事に開会のセレモニーを見届け、改めて器の並ぶテントへと向かいます。
中に入って驚く新米編集部ふたり。先ほどとは打って変わって、テント内は身動きが取れないほど大勢の来場者でぎっしりです。
どしゃ降りの雨はテントの床にも水たまりを作り、人波にもさらわれそうな勢いですが、ここでも笑顔の方の多いこと!
人混みよりも器との出会いに意識を向けて、自宅に連れ帰るべく運命の出会いに目を光らせています。
器探しのいろいろ、来場者に聞いてみました
「茶碗は絶対欲しい!」「四角かな、まる? 四角がいいかも」「このお皿お店でよく見かけるね~」
会場内で聞こえてくる会話に耳を傾けてみると、あちこちから悩む声や感嘆の声が聞こえてきます。
全国各地から訪れるこんなにたくさんの人がいるならば、器を使うシーンやこだわりも違ってくるはず。
「せっかくならばみなさんの器選びのポイント、聞いてみたい!」ということで、お買い物の邪魔にならないよう細心の注意を払いつつ、来場者の方々にインタビューをしてみることにしました。
ポイントその1:お気に入りの窯元で選ぶ
最初にお話を伺ったのは大分県から来た女性。波佐見陶器まつりには毎年参加しているそう。『永峰窯』さんのファンだといいます。
「今日しか来られないので、ここ目がけて朝5時に出発しました。永峰さんの、一色のシンプルで薄いプレートが好きなんです」
ほかの方にもお話を聞いてみると、それぞれお気に入りの窯元さんやブランドの名前が挙がることも多かったです。一口に『波佐見焼』といっても器や模様のバリエーションがかなりある産地、波佐見ならではですね。
波佐見焼を長く愛用している方はもちろん、初めての方も、お好みのテイストに合わせて窯元さんに注目してみても面白いですよ。
ポイントその2:使い勝手で選ぶ
こちらはHasami Lifeでも取り扱っている西海陶器の『Common』シリーズのブース。
なにやら手にたくさんのCommonを積み上げられているお客さんを発見! お話を聞いてみました。
「福岡から来ました。Commonがお気に入りで、割れたものを買い足しながら毎年新しい形状を一種類ずつ増やすことにしているんです」
なんと、かなりのヘビーユーザーでした。こちらのシリーズの魅力はなんでしょうか。
「我が家は三人家族なので、ネイビー、イエロー、グレーの三色で統一しています。はっきりした二色に、淡いグレーを取り入れることでバランスがよくなるんです。オーバルのプレートにはお肉とサラダを盛ると映えるし、150mmのボウルなんかは小丼ぶりにしてみたり。とにかくいろんな料理に使えますね」
実際に愛用している方の生の声を聞くと、ごはんを盛ってこその器だな、と再認識。
どの器にするか悩んだときには、盛り付ける料理の想像をするのもよいですね。
ポイントその3:あてもなく選ぶ
お子さんを連れたご家族にもお声がけしてみました。なにかお目当てがあるのでしょうか。
特にこれと決まったものはないですね。こどもたちが割ってしまうので、この機会に新しい食器が欲しいな、と福岡からやってきました」
こちらも福岡から。今回お話しした中では、九州各地から来られたお客さんが多かったです。
明確な目的がなくても大丈夫。その場でピンときた器を気づいたら手に取ってしまうのが陶器まつり。たとえ目的の器をゲットしても、どんどん目移りしてしまうほどです。とりあえず行ってみた、という感覚でも器探しのひとときを存分に楽しめます。
お話を伺った方々だけでも、陶器まつりが初めての方、数年ぶりの方、毎年必ず訪れているという方などさまざまでした。楽しみ方も自由です。まずは一番のメイン会場であるやきもの公園で、年に一度の一大イベントを味わってみてください。
ちなみに、メイン会場ではほかにも、2,000円以上のお買い物で参加できる抽選会や、ろくろ体験、飲食店の屋台などご家族で楽しめるコンテンツがたくさんあります。お買い物の合間にぜひご利用くださいね。
歩いて行ける! 西の原陶器まつり
お昼を過ぎると、あれだけ降っていた雨がやみ、晴れ間がのぞいてきました。やっぱりうれしい。
わたしたちはやきもの公園をあとにし、メイン会場と同日開催となる『西の原陶器まつり』に向かいます。やきもの公園から西の原までは歩いて約5分。とっても近いのではしごできちゃいます。
その昔窯元として使用されていた建造物群をリノベーションした西の原は、今や波佐見の観光拠点ともいえる場所です。いつも通りのゆったりとして落ち着いた空間ながらも、のぼりとガーランドでイベントらしさが演出されていました。
ガーランドの下を歩いて左を向くと、『monné porte(モンネポルト)』があります。まず目に入るのはイベント出店のお菓子屋さんなどのブース。西の原内に期間限定で、『おまつりマルシェ』として日替わり出店する各地の飲食店やハンドクラフト品などが並びます。
この日は西の原の雰囲気にもぴったりな焼き菓子屋さんなどが3店舗横並びで大盛況でした。
ショップ横のギャラリーも、期間中は陶器まつり仕様に。なんとここでは大人気の波佐見焼『HASAMI PORCELAIN』のB品(割れや欠けなど以外のワケアリ品のこと)がアウトレットセール中。
初日は祝日ということで、店内が混み合わないように整理券の配布がされていましたが、お昼ごろは驚異の180組待ち。さすがです。
メイン会場ではなく、HASAMI PORCELAINを求めて真っ先に西の原に来た、という方もいらっしゃいました。
ギャラリーを出ると、そのまま左手に進みます。『GROCERY MORISUKE』では、通常営業に加えて昼飲みを楽しめるワインと和菓子のペアリングを提供していました。
その名も『ジャズようかん』。3種類から選べるワインもあってとっても魅力的です。おしゃれな昼飲みを我慢して、その先にある『833WALL』へ。
こちらでは休憩所の用意と、窯焼きピザやコロッケとミンチカツの販売があります。こちらで少し腹ごしらえ。ピザやドリンクはCommonのお皿にのせて提供されます。
コロッケも併設のキッチンで揚げたてを。大人気です。
そうして833WALLを抜けていくと、ギャラリーと同じく西の原陶器まつりの目玉である器のアウトレット品販売会場が見えてきます。
『南創庫』の前の特設会場では、こちらもHasami Lifeで大人気の『essence of life』、『Sabato』、『The Porcelains』など、さまざまなシリーズのB品を売り出し中です。
食器の裏のロゴがないもの、ちょっとした釉薬のムラがあるもの、B品にはいろいろな基準があります。普段はなかなか世に出ることのない、少し味のある器を自分なりの基準とこだわりで一つひとつ手に取って選んでいくのも陶器まつりの醍醐味。
真剣な表情でじっくり吟味している方もいらっしゃいました。
また、南創庫の2階では切り絵付けの体験も行っています。家族で椅子に座って、好きな転写シールを切ったり貼ったり。
7組入る体験スペースが、午前中は満席だったようです。
編集部が取材に伺った時間にも、ちょうど2組ほどが参加していました。気に入ったデザインのお皿を作って使う。きっと愛着が湧いてお気に入りの1枚になりますね。
制作した器は一度焼く必要があるため、お届けは後日になります。
わたしたちもいつかHasami Lifeとして挑戦してみたいと思います!
西の原では、通常通りの内容で営業している既存店舗でお買い物や食事をすると、『うつわチケット』がもらえます。これらを3枚集めると、可愛らしい『essence of life 判子 猪口』と引き換えられます。ぜひお店を巡ってみてくださいね。
※内容は変更になる可能性があります。最新情報は西の原の公式Instagramなどでチェックしてください。
さて、雨の中スタートを切った波佐見陶器まつりですが、メイン会場、西の原ともに大盛り上がりを見せていました。
波佐見焼振興会の方に話を聞いてみると、初日の来場者数は2万人ほど、とのことです。なかなか想像がつきませんが、大体昨年の初日と同じくらい、とお聞きしました。
残りの日数でのさらなる盛り上がりに期待してしまいます……!
今回はメイン会場と西の原からのレポートをお届けしました。波佐見町内ではほかにも、Hasami Life編集部がライブ配信をお届けした『ÔYANE』をはじめ、『マルヒロ』や『白山陶器』、『京千』や『藍染窯』、そして器のサブスクリプション事業に取り組む『KIGAE』などが陶器まつりの期間に合わせて各所でイベントを開催中です。
ぜひそれぞれの会場にも足を運んでみてくださいね!詳しい情報は各社ホームページやInstagramなどをご確認ください。
加えて、波佐見有田インター第二会場での販売や、西海陶器の本社での『1,000円でカゴ一杯詰放題』販売などのユニークな販売にも要注目です。
2024年の波佐見陶器まつりは早くもイベント後半となっておりますが、まだまだ間に合います! 明日5月3日からの3連休、この記事を読んで熱の冷めないうちに、ぜひ波佐見町にお越しください。お待ちしています!
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波佐見陶器まつりに関する最新情報は以下から▼
メイン会場や西の原の営業時間や、駐車場・シャトルバスなどの交通情報、会場のマップがの案内が掲載中です。
Instagramではイベント情報や記事コンテンツに関する写真や動画を発信中! 毎週火曜日12:30-はライブ配信「Hasami Live」をお送りします。
陶器まつり期間中は現地の様子をお届けするとともに、人気の波佐見焼のプレゼントキャンペーンや、オフラインでのイベント「こみちとななをさがせ!」も開催しています。詳細はInstagramにてお知らせしていますので、ご確認のうえ参加してくださいね。
また、初日はライブ配信も行いました。後日そちらの様子もアーカイブで投稿します。ぜひご覧ください。