みなさん、どんなお雑煮を毎年食べていますか? 外ではなかなか食べる機会のないお雑煮。出汁の種類、おもちの形、メインの具材......それぞれの地域性や家庭の特色が出やすいものですよね。
そこで今回は、長崎県波佐見町のあるご家庭のお雑煮レシピをご紹介します。みなさんのなじみのお雑煮と、どのくらい違うでしょう? 波佐見焼の器への盛り付け例と一緒にお楽しみください。
お雑煮をつくってくれたのは、波佐見町出身・在住の兒玉涼子(こだま りょうこ)さん。町内のボランティアガイドを務めるなど、精力的に活動してらっしゃいます。

材料や調味料の分量は人数によっても異なり、味付けもいつも目分量だそう。波佐見のお母さんのつくり方、ということで、ざっくりのレシピをどうぞ。今回は5~6人前を想定してつくっていただきました。
ある波佐見のお雑煮の材料
・焼きあご(あご=トビウオのこと)
・丸もち
・鶏もも肉
・白菜
・かまぼこ
・大根
<調味料>
・料理酒
・薄口醤油
・塩
①焼きあごで出汁をとる

鍋に水を張り、焼きあごを一晩浸けておく。翌日には黄金色の美しいお出汁に。前日に準備をしておき、このまま火にかける。

沸騰したら一旦火を止め、ザルで焼きあごを取り出す。ちなみに普段はかつお節で出汁を取ることが多いそう。兒玉涼子さんが言うには、焼きあごを使うのはお正月の贅沢なんですって。
②あごだしに丸もちをひたす

出汁を少し深めの容器に入れて、そこに丸もちをひたし柔らかくしておく。
③鶏肉を切って出汁へ

鶏もも肉を小さめの一口大に切り、まだ火をつけていない出汁に入れる。焼きあごに鶏の旨味も加わるのよ、と涼子さん。火をつけないままで、他の具材を切る。
④野菜とかまぼこを切る

白菜を、葉と芯の部分に分けて、一口大に切っていく。

かまぼこを5mm程度にスライスして、真ん中に写真のように包丁を入れ、その穴に端をくぐらせて飾り切りに。

大根は皮をむいて薄く輪切りにする。お雑煮をよそう器と同じ数だけ切っておく。
⑤具材を入れて煮て、味付け

出汁と鶏肉の入ったお鍋に火をつけて、白菜の芯の部分から入れる。煮立ったら葉を加える。

料理酒、薄口醤油、塩の順に入れて味付け。今回はざっくりしたお母さんレシピなので、味見しながら少しずつ調味料を入れるのがおすすめ。醤油は出汁の色を生かすため、薄口を使う。

味が決まったら、出汁に浸けておいた丸もちを入れて煮る。最後に大根の輪切りのスライスも加えて、さっと火を通す。
⑥盛り付ける

丸もちに火が通ったら完成。盛り付ける際には、大根のスライスを底に敷いて丸もちをのせると、おもちが器にくっつかずに済む。食べる際には、好みでゆずの皮の千切りや柚子胡椒を添えて。
どんな器で食べる?
完成したお雑煮は波佐見焼に盛り付けていただきました。土のあたたかみを感じるもの、蓋付きのものなど、3つのコーディネートをお楽しみください。焼きもの以外にHasami Life で扱っている漆椀もご紹介します。
・ ido碗

陶器のぬくもりが感じられる ido碗。白と桜で紅白っぽいおめでたさも演出する組み合わせに。ido碗はカラーバリエーションが8種類と豊富なので、色違いで揃えるのもおすすめ。

縁起のいいひょうたんの形をした白の
晴 豆皿 瓢 に、トッピング用の柚子胡椒とゆずの皮をのせて。柚子胡椒を入れるのは定番なんですって。

16世紀頃に朝鮮半島から渡来した高麗茶碗の一種、「井戸茶碗」がモチーフ。縁から高台(器の底の台)までの曲線が絶妙で、すっきりとシンプル。
ido碗を普段使いで楽しむコーディネートはこちら!
#波佐見焼をたのしむレシピ《9月のひと皿》
・すゑひろ碗

大きく梅の花が描かれている。勢いのある漆黒の手描きの線が上品な印象。身(料理が入っている器のこと)は「すゑひろ碗LL」を、蓋は「すゑひろ碗M」を使用している。

来客時やハレの日には蓋付きのセットとして、普段はそれぞれ大きさの違うお碗として重宝する。

同じシリーズで柄違いの細十草。落ち着きのある雰囲気で長く使えるデザイン。
※すゑひろ碗には絵柄が3種類あり、絵柄によって値段が変わります。上記の表示価格は「梅花」の柄のものです。
・Commonの漆椀

天然の漆が塗られている「Common」の漆椀。具材が引き立つBlackと華やかなRed。
横からのシルエットはCommonシリーズらしいぽってり感。ハレの日も普段使いにも、使い回ししやすいシンプルなデザイン。
涼子さんのおうちの、ハレの日の器。
せっかくなので、兒玉涼子さんがおうちで使っている私物の汁椀も見せていただきました。涼子さんのお義母さんの代から使ってきたお品だそう。

見事な絵付けがしてある、兒玉家の汁椀。「お正月のお雑煮には毎年これなんです」と涼子さん。
波佐見焼と、晴れやかな気分で新年を。
「ざっくりした説明でごめんなさいね。それにこれは私のつくり方だから……波佐見町でも、いろんなお雑煮があるのよ」と教えてくれた兒玉涼子さん。
私たちHasami Life 編集部も波佐見町に住む方々に聞き込みをしたのですが、本当に各家庭でさまざまでした。白菜を使う人、そうではなく九州でお正月によく食べられている"かつお菜"を使う人。かまぼこを入れる人と入れない人。潔く、出汁に白菜とおもちだけという人。バリエーションは無限にありますが、ひとつの形として児玉さん家のお雑煮、ぜひみなさんも試してみてください。
やっぱり「我が家のお雑煮」が食べたいなあという方は、今日紹介した波佐見焼にいつものお雑煮をよそってみる、なんてどうでしょう? 器で気分を変えて、新年を晴れやかにお迎えしませんか。
この記事を書いた人
Hasami Life 編集部
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