HOME よみもの 器と食 SAKEを愉しむ vol.2 クラシックな徳利と盃 2019.12.27 SAKEを愉しむ vol.2 クラシックな徳利と盃 by Hasami Life編集部 江戸時代や明治時代の徳利は、用途や大きさが様々でした。それは、徳利に限らず“器”には時代の色合いが反映されるからです。ここではまず、徳利の歴史から振り返ってみたいと思います。 徳利は醤油や油の貯蔵容器だった! 徳利は、日本酒を盃へそそぐための容器として使われますよね。でも、江戸~明治時代は、醤油や油などの貯蔵容器としても使われていました。徳利生産の最盛期といわれている明治中期には、波佐見だけでも年間35万本の徳利が作られていました。それだけ、陶磁器の徳利が普及していたのです。 見た目以上のお酒が入ります! 波佐見では、明治時代を中心に牡丹の柄が染付された“牡丹徳利”が数多く生産されていました。徳利には酒屋の名前も入っており、「量り売り」の機能も持っていたので、“通い徳利”とも呼ばれていたそうです。当時は1升が基本サイズ。2升以上の大きな徳利もあったと言われています。 現代では、量り売りを行う酒屋が少なくなったため、牡丹柄だけを生かし、現代のサイズに合わせて作られています。小ぶりに見えるけれど、たくさんの量(450ml)が入ります。大人数が集まったときにもおすすめです。 牡丹紋 徳利/盃(450ml/50ml)。幸福や富貴の象徴とされている牡丹柄は、華やかさがあります。 ※陶器の窯蔵(『OYANE』の1階)にて販売中です。 柄には時代が現れる 器の量産化が進むと、次第に柄が簡素化していきました。これは、江戸時代に作られた波佐見焼の大きな特徴でもあります。ラフに描かれた柄は、気取らずに過ごしたい日常にぴったり。ふだん使いしてこそ、真価を発揮してくれます。 古染草花 盃(50ml)。古染付(こそめつけ)にみられるような、藍色の呉須の染付、灰色がかった釉薬が古い焼きものを模して作られた現代もの。徳利(300ml)もあります。※陶器の窯蔵(『OYANE』の1階)にて販売中です。 まだまだある!クラシックシリーズ 「ロングセラーを味わう」でも紹介した50年以上続く“西花”というシリーズにもたくさんの種類の徳利と盃があります。まず、紹介したいのは、徳利と盃を含む15点すべてに万両(冬に赤い実を熟す樹木。万両という名前から、縁起木ともされている)の染付と縁錆が施されている“まんりょう”。角小皿や四寸皿(丸皿)もあるので、セットでも使えます。 西花 まんりょう 徳利/盃(175ml/50ml)。万両という、大金を彷彿とさせるめでたい名前から、商売繁盛の縁起物とされています。贈りものにもぴったりですね。 ふだん使いにおすすめしたいのが、“とくさ”。クラシカルなイメージの中に今っぽさをも感じるデザインが人気です。小さな盃の内側まで手描きの線が施されている、繊細な絵付けもこだわりのひとつです。 西花 とくさ 徳利/盃(200ml/50ml)。細かいところまで配慮された絵付けが嬉しいですね。 次回は、焼きものなのに、まるでガラスのような美しい酒器を紹介します。 (最初から読む) SAKEを愉しむ vol.1 六十餘洲と波佐見焼 SAKEを愉しむ vol.2 クラシックな徳利と盃 SAKEを愉しむ vol.3 まるでガラスのような焼きもの SAKEを愉しむ vol.4 いまどきの酒器セット ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 Tweet 前の記事へ 一覧へ戻る 次の記事へ Hasami Life編集部 この記事を書いた人 Hasami Life編集部 関連記事 2023.08.19 ごきげんに食べて暮らしたい。お米を楽しむ夫婦ユニット「ごはん同盟」さんの、器の選び方。 「ごはんのおとも」と言えば、思い浮かぶのは、お米をモリモリ食べたくなるおかずや一品料理。それと同じように、器も「ごはんのおとも」だと思うのです。今回は、炊飯系フードユニット「ごはん同盟」のおふたりに「ごはんのおともとしての器」をテーマにお話を伺いました。 2023.03.10 【限定発売】人気イラストレーター・ミヤタチカさんと波佐見の絵付職人がコラボした『MOGUMOGU プレート』 人気イラストレーター・ミヤタチカさんの自由で楽しい世界観が詰まったキッズプレート『MOGUMOGUプレート』が完成しました。子どもが大好きな「人魚姫」と「恐竜」をモチーフにした2種類の描き下ろしイラストは、ゆるくて楽しくてとってもかわいい! Hasami Lifeでも数量限定発売です。 2023.01.14 長崎ちゃんぽんのおいしい秘密を探る!【後編】ちゃんぽん麺アレンジレシピ 本場長崎の味、長崎ちゃんぽんのおいしい秘密を探る【後編】ちゃんぽん麺アレンジレシピ! 「ちゃんぽん麺をたくさんアレンジしてたのしんでほしい」という水谷製麺の水谷社長の言葉を受け、料理家のminokamoさんは工場見学の翌日、さっそくキッチンへ。簡単で手軽につくれる3つの味と、アレンジのコツを教えてくれました。
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