物語の風景をたずねて。『青の花 器の森』と波佐見の町あるき

物語の風景をたずねて。『青の花 器の森』と波佐見の町あるき

2025.05.30

©︎小玉ユキ/小学館

2025年4月5日(土)から6月30日(月)まで、波佐見町では、漫画『青の花 器の森』とコラボしたスタンプラリーを開催中です。

Hasami Life編集部も各スポットを巡り、スタンプを集めてきましたよ!
今回は、そんなスタンプラリーのレポートをお届けします。

スタンプラリーの概要はこちらから。


桜陶祭にて開幕! 小玉ユキ先生のサイン会も

漫画の舞台となった中尾山での伝統的なお祭り『桜陶祭』と同時スタート。春の賑わいのなかで開幕です!

趣のある建物が美しい「赤井倉」の前の桜も満開! スタンプラリーのメインビジュアルとなっている描きおろしイラストにも登場しているお店です。

4月6日(日)には、作者の小玉ユキ先生のサイン会も。会場は青子と龍生の働く窯元のモデルとなった「光春窯」さんです。
予約制だったため、編集部も事前に応募して参加してきましたよ!

ていねいにサインを描いてくださる小玉先生。器をかたどった青子と龍生の判子も素敵!

サイン会では、小玉先生に直接コメントをいただくことができました。記事の最後にお届けします!

では、ここからは各スポットをまわっていきましょう。

スポット1 光春窯

最初のスポットは、主人公の青子が勤める「光容窯(こうようがま)」のモデルとなった窯元、「光春窯」。

併設のギャラリーには、色とりどりの絵付や釉薬の施された器がずらり。目移りしてしまうほど多彩で、ファンも多い窯元です。

工房の手前に設置されたスタンプ台で、記念すべき1ページ目にスタンプを押します。
光容窯の社長のイラストでした!

青子と龍生の仕事と恋の行方をそっと見守りつつ、大事なタイミングで背中を押してくれる姿がほんとうに素敵なんですよね。

焼きものづくりが中心にある物語のため、光容窯の描写は多数登場。
モデルとなった光春窯へのインタビューを読みながら、漫画と比べてみるのも楽しみ方のひとつかも。
作中でもポイントとなる「波佐見焼の量産体制」についても触れられていますよ。


スポット2 有田ポーセリンパーク

次のスポットは、波佐見から離れてお隣の佐賀県・有田町へ。青子と龍生がデートで訪れた町ですね。

波佐見町からもほど近く、車で10分ほど走れば「有田ポーセリンパーク」に到着です。

“ドン”とそびえる宮殿はさながらヨーロッパ。精巧な彫刻やたくさんのアーチ状のガラス窓にも驚きます。

宮殿のアーチを抜けると、広い庭園も。
天気のいい日には気持ちよく散策できますよ。

伝統的な焼きものの町である有田らしく、白磁の噴水などもあります。


スタンプは、敷地内にあるおみやげ処「蔵」にて。

イラストは春馬くん。フィンランドの大自然からインスピレーションを得る自由な彼の姿が心に残ります。

スポット3 波佐見講堂

さて、有田をあとにし、波佐見町へ戻ってきました。
続いてのスポットは、人気の商業エリア・西の原の向かいにある「波佐見講堂」。

貴重な木造建築で、洋館のような出で立ち。風情がありますね。

中は体育館のような床に、明治~昭和期の格式あるダンスホールのような天井。貴重な建築物のため、スタンプを押す際にはぜひ内部も見学してみてくださいね。

こちらでは光容窯で働く留美さんのスタンプ。ハートがいっぱい飛んでます。

Hasami Lifeでは、過去に講堂の歴史や講堂を守るための活動について伺いました。こちらの記事もぜひあわせてご覧ください。


スポット4 鬼木棚田

スタンプラリーも後半戦。4番目のスポットはこちら。
「日本の棚田百選」にも選ばれた、波佐見といえばの絶景スポット、「鬼木の棚田」です。

田植えの時期から収穫の秋にかけては、特に美しい景色が広がります。一面の緑と青空の対比を眺める時間は、心の洗濯!

作中ではとても切ないシーンで、満点の星空が広がる夜の棚田が登場します。
周遊の際はぜひ昼間の明るいうちにお越しくださいね(道が狭く曲がりくねっているので、運転にはお気をつけて!)

スタンプは鬼木加工センターでゲット。
地元産の食材にこだわった、人気の棚田みそ柚子胡椒もこちらで購入できますよ。

うれしそうに微笑む龍生くんのイラストにほっこり。


スポット5 中尾山交流館前の橋

続く5番目のスポットは、再び光春窯のある中尾山に。
中尾山交流館の前の橋、「白岳橋」です。

桜陶祭のころ、眼前に広がる満開の桜と、散った花びらが川面を埋め尽くすようすがあまりに絶景でした。

漫画の最終巻で、青子と龍生が立っていたあたりで編集部も一枚。
ときおり強く風が吹くと、桜がひらひら舞って……とてもロマンチックなシーンですが、景色もリアルで堪能できます。桜の時期にも訪れてほしいイチオシの場所です。

景色を楽しんだら、交流館にてスタンプを押しましょう。

見開きでふたりが揃います。見つめ合っているようにも思えてときめく。


スポット6~8 波佐見の飲食店

スタンプラリーのなかには波佐見町内の飲食店も。
3か所のうち、どこかで食事をするとスタンプがもらえますよ。

編集部は西の原にある「モンネ・ルギ・ムック」をチョイス。
個人的には、青子の親友であるしのぶが、思い悩んで青子へのプレゼントを選ぶエピソードでの登場が印象に残っています。

古民家を活かした造りで、あたたかな空間が広がります。

イチオシのココナッツミルクカレー。食材のうまみと、ルーの辛みにまろやかさが合わさって最高です。大きなプレートとそばちょこの組み合わせは毎回のお楽しみ。

しのぶちゃんのイラストでした! 3か所すべてで異なるスタンプが押せますよ。


ほかの2か所もご紹介。
その日の気分やスケジュールに合わせて訪れてみてくださいね。

波佐見ラーメンセンター▼

赤色のかわいらしいロゴが目印。おすすめは“貝豚湯ラーメン”ですが、通ううちにほかにも色々試したくなる。写真は煮干しラーメン。

文化の陶 四季舎▼

中尾山の上にあるお店。予約すれば焼きものの窯を再利用した窯焼きピザ体験なども。
四季舎がはじまったきっかけや、波佐見を味わう食事メニューについて、館長の畑中さんに伺ったインタビューはこちら(「波佐見へ行ったら、まずここへ vol.1~3」)。

GOAL 波佐見町観光協会

6つのスタンプを集めたら、波佐見町の観光拠点「陶芸の館(くらわん館)」にある観光協会の窓口へ。
建物に入ると、特設コーナーもありますよ。

小玉先生直筆の陶板も展示中。呉須一色でこの表現力、線や塗りの美しさに感激してしまいます……!

集めてきたスタンプを見せると、最後のスタンプをゲットできます。
最後は青子と龍生が並ぶイラストでした!

必ず手に入れたい、物語に登場する波佐見焼!

そして、スタンプラリーに参加してコンプリートすると、うれしい特典が。なんと、もれなく波佐見焼がもらえるんです!

景品には、作中に登場する「雨粒皿」がミニサイズになって登場。
龍生の作るカルボナーラは盛り付けられませんが、ちょっとしたお菓子や醤油皿にぴったりのサイズ。重宝しそうです。

さらに、用紙を記入して抽選にも応募可能。
青子が龍生の作品を手に取った瞬間に頭の中に描いた花の絵柄が施された「スノーフレーク皿」と、最終巻のプロポーズのシーンに登場する「桜のリングケース」が手に入るチャンスです。

ファンならば、ぜひ手に入れたいですよね!

特設コーナーでは、実物のサンプルを見ることができます。

一つひとつ、「studio wani」さんによってろくろで成型された蓋ものの器は薄く繊細な仕上がり。淡くちいさな桜の花がよく映えます。手仕事のあたたかみや龍生の想いまで伝わってくるよう。


桜陶祭のサイン会のあと、小玉先生にこれらの器をはじめて手に取られたときの感想をお聞きしました。


作者・小玉ユキ先生のコメント▼

「夢みたいでした。自分で考えて漫画で表現はするものの、自分で作れるわけではないので。
わたしが作りたかった“形”をくみ取って作ってくださったものが現実になって、うれしかったです。

現物を送っていただいて、開けた瞬間に『こんな器だったんだ』と再認識するような感じでしたね」


先生ご自身が「夢みたい」とまでおっしゃる完成度。
つくり手の想いを知ることで、より手元で使ってみたくなります。
抽選、当たりますように……!

漫画『青の花 器の森』×やきものの町 波佐見 周遊スタンプラリー」。
器づくりと恋の物語を通して、町の魅力を改めて発見できるような、とっても素敵なイベントです。

開催期間は6/30(月)まで。まだ参加されていない方はぜひ波佐見町に来てみてくださいね!
すでにコンプリートされた方も、コメントなどで感想や思い出を語っていただけるとうれしいです。


◎こちらもどうぞ!

漫画『青の花 器の森』のシーンでたどる〈波佐見焼ができるまで〉
漫画を読んで波佐見の器づくりをもっと知りたくなったらこちら。分業制の工程をそれぞれたどりながらご紹介しています。

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この記事を書いた人
Hasami Life 編集部(すぎた)