HOME よみもの 器と技 国内外の100のブースを見て知って買える! 「テーブルウェア・フェスティバル」開催レポ 2024.01.19 国内外の100のブースを見て知って買える! 「テーブルウェア・フェスティバル」開催レポ by 鈴木めぐみ クリスマスが数週間後に迫った2023年12月5日(火)〜11日(月)、『テーブルウェア・フェスティバル 〜暮らしを彩る器展〜』が開催されました。 「あれ、テーブルウェア・フェスティバルって、2月じゃなかったっけ」とお思いのHasami Life読者の皆さん、はい、その通りです! 毎年1回、例年1月〜2月に開催されることが多かった、このテーブルウェア・フェスティバル、2023年は2月と12月の2回、開催されました(2023年2月開催のレポートはこちら)。 器好きにはうれしい“イレギュラー開催”となった本イベントの様子を、波佐見焼ビギナーのライター鈴木がお伝えします! 2023年2度目のフェスはホリデームード満載 今回、会場となったのは「東京ドームシティ プリズムホール」。前回の「東京ドーム」と比べると、たしかに小さくはなったものの、その分ギュッとコンパクトで、周りやすく見やすい!「やっぱりあれ買おう」と思い直しても、気軽に引き返せる規模感です(笑)。エントランスの「Welcom Coordination」では、フランスの「RAYNAUD(レイノー)」によるテーブルコーディネートがお出迎え。赤とゴールドを基調としたコーディネートで、世界観にぐっと引き込まれます。 女優・ユニセフ親善大使の黒柳徹子さん、ビーズ刺繍デザイナー・文化学園大学特任教授の田川啓二さんによるコーディネートも。テーマは「煌めきのクリスマス」。贅沢にビーズがあしらわれたクロスやアンティークのカトラリーなど、ゴージャスさのなかにあたたかみも感じます。 会場内では、 “国内随一のテーブルウェアコンテスト”と言われている恒例の「テーブルウェア大賞」をはじめ、特集企画「Christmas & New Year〜洋食器と和文化の饗宴〜」などの企画ブースもあり、賑わっていました。 今回は季節柄ということもあってか、クリスマスやお正月をイメージした素敵なコーディネートがたくさん。は〜、眼福眼福。細部まで丁寧に作り込まれたその様子は、いつまでも眺めていられるようでした。テーブルコーディネートの奥深さや器の楽しみ方をさらに教えてもらった、そんな感じです。 さまざまな表情を持つ波佐見焼。その奥深さを垣間見た! 会場には約100のブースがずらり。多くのお客さんが行き来しています。皆さんの熱気を感じてこちらも気分がアガります! テーブルウェア・フェスティバルは、日本の窯元の作品や世界の陶磁器、ガラスや漆器など、テーブルウェアが一同に会する、国内最大の器の祭典。一度に、これだけのアイテムを見て知って触れることができる機会は、やはりなかなかありませんよね。 波佐見焼のブースにも、お客さんがひっきりなしに訪れている様子。今回は13の窯元や商社が参加していましたが、ひと口に“波佐見焼”といっても、窯元ごとに歴史や製作工程なども異なり、器の雰囲気や特徴も当然違います。それぞれの “顔”を持っているのが興味深いところです。 まずは水晶彫が美しい「丹心窯(たんしんがま)」さん。繊細で透き通るような白磁が特徴です。 そして色彩豊かでカジュアルななかにも、上品さを併せもつ「永峰製磁(えいほうせいじ)」さん。カフェで出てくるような器たちが印象的です。 「大新窯(おおしんがま)」さんの商品は、動物のモチーフがどれもかわいらしい。すべて手作業で絵付けを行っているそうです。 このテーブルウェア・フェスティバルで、新作がお披露目される波佐見焼。その新作をいちはやく求めて足を運ぶお客さんも多いのだとか。こちらは「西海陶器(さいかいとうき)」さんの新作。 また、波佐見焼は「分業制」に重きをおき、横のつながりを大切にすることで、町全体の産業として成り立っています。それは、各フィールドで活躍するプロフェッショナルがいる、ということ。できるだけ合理的に物事を進めようとする傾向が強い現代では、なかなか馴染みが薄いかもしれませんが、ものづくり、手仕事の世界の底力を感じます。 これだけ豊かな表情を持つ器を生み出し続けることができるのは、約400年の歴史がある一方で、枠にとらわれず「伝統のその先へ」と進んでいる証なのかもしれません。 ますます波佐見焼のファンになりました! まだまだ続く!テーブルウェアの世界 波佐見焼のブースを出ても、まだまだ見どころはたくさん! 美濃焼(岐阜県)やとこなめ焼(愛知県)、小石原焼(福岡県)、津軽びいどろ、南部鉄器や漆、ガラス工芸など。器ファンなら、1日いても時間が足りない、なんていう人もいるかもしれませんね。 出展者にじっくり話を聞きながらショッピングを楽しむお客さんの姿も見かけました。いろんな話を伺いながら見つけたお気に入りは、愛着もわいて末永いお付き合いになることでしょう。ネットショッピングもときには便利ですが、やはりリアルなコミュニケーションを通してのモノ選びは何にも代えがたいものがありますね。 絵付けの実演も行われていましたよ。 憧れのグラスでいただく一杯はとっておきの味わい 会場をいろいろと周ったところで、「憧れで味わうグラステイスティング 〜ガラス&クリスタル ギャラリーウォール〜」というブースを発見。「KAGAMI」や「ロブマイヤー」といった国内外のグラスウェアの展示と、展示に使用されているグラスのなかから好みのものを選んでワインやシャンパンなどが楽しめるコーナーです(有料)。 迷いに迷って、私は鹿児島の「島津薩摩切子」のグラスをチョイス。重厚感がありながら繊細なカットが施されたグラスで、白ワインをいただきました。 ふだんは手にする機会がなかったり、はじめて知るブランドが多いなかで、好みのグラスを選ぶのがまた楽しく、優雅なひとときとなりました。最後まで、器好きの心を掴んで離さなかった(笑)、テーブルウェア・フェスティバル。 器は私たちの暮らしに密着し、彩りを添えてくれるもの。2024年も器とのいい出会いがありますように、と思いながら、会場をあとにしたのでした。 Tweet 前の記事へ 一覧へ戻る 次の記事へ 鈴木めぐみ この記事を書いた人 鈴木めぐみ 食やライフスタイルにまつわるコンテンツの編集制作に加え、ときには料理本専門書店ブックレディレクター時代の経験を活かした選書も行います。ご多分にもれずの器好き。波佐見焼についてはまだまだひよっこですが、たくさんの魅力をお伝えできればと思っています。Instagram @suuzuki_megumi 関連記事 2024.04.12 【波佐見焼】最新人気ランキング(2024.3.1~3.31) 最新ランキングの公開です。3月は人気の”common”や”Sabato”、”essence of life”シリーズに加えて新商品もランクイン! 新生活で活躍するバリエーション豊かな食器たちをランキングでお届けします。 2024.04.05 ディープなやきもの。Vol.4 絵柄 ~真似から独自の柄へ~ 特定の世界では常識的なこと、知らなくても困らないけれど知っていたらちょっとツウ(!?)なこと。 窯業界で数多く存在する「ディープなやきもの」情報を何度かに分けてお届けしていきます。 今回は、波佐見町で最も焼きものが作られた江戸時代を中心に絵柄を紹介します。現代にも残っている絵柄や、ユニークなものまでさまざま。クイズを挟みながらご紹介します。 2024.03.29 ディープなやきもの。Vol.3 絵柄 〜朝鮮と中国からの技術~ 特定の世界では常識的なこと、知らなくても困らないけれど知っていたらちょっとツウ(!?)なこと。 第3回目は日本へ伝わったやきもの歴史について。クイズを挟みながらご紹介します。
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